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県防災ヘリ回収着手 墜落現場で伐採作業

墜落した機体近くで倒木を切る作業員=10日午前9時14分、松本市入山辺墜落した機体近くで倒木を切る作業員=10日午前9時14分、松本市入山辺
 搭乗者9人全員が死亡した県消防防災ヘリコプター「アルプス」の墜落事故で、県は10日午前、松本市入山辺の山中に残されている機体の回収作業に着手した。作業を受託した朝日航洋(東京)が派遣した作業員6人が、現場周辺の樹木の伐採を始めた。雪解けで土肌があらわになった現場で、チェーンソーを使って慎重に作業を進めた。

 現場は、鉢伏山山頂近くの標高約1700メートルの谷筋斜面。機体は、胴体があおむけの状態で急斜面に残っている。後部のテールブームは折れて胴体の下敷きになり、全体がブルーシートに覆われている。

 この日の現場は霧に包まれた。作業開始前の午前8時半すぎ、作業員は機体の前で線香を手向け黙とうをささげた。早朝まで続いた降雨でぬかるむ地面に足を取られないように注意し、伐採した木で機体を傷つけないよう気を使いながら作業していた。

 伐採は3日程度をかけて、約45メートル下の谷底近くに設ける予定の作業台に向かって、約15メートルの幅で切り開く。伐採と並行して、小型ヘリを使って作業台を作るための資機材を搬入。その後、機体を分解するなどして作業台に移し、シートで梱包(こんぽう)する。大型ヘリによるつり上げは当初、今月中旬を予定していたが、事故の証拠品として慎重に扱う必要があることなどから、日程に余裕を持って24日以降に実施する。

 現場に同行した県消防課の前沢直隆企画幹は「原因究明に向けた第一歩を踏み出すことができて良かった。安全第一で進めたい」とした。

 大型ヘリでつり上げた機体は、鉢伏山の山頂近くに下ろし、大型トラックに載せて陸路で伊那市内の県有施設の保管場所に移送。松本署の捜査本部と国土交通省運輸安全委員会が、事故原因の究明に向けて詳しく調べる。

(5月10日)

長野県のニュース(5月10日)