長野県のニュース

原因究明の鍵握る墜落機体 回収に慎重なスケジュール

 松本市入山辺の山中で10日始まった、県消防防災ヘリコプター「アルプス」の墜落機体の回収作業。事故直後、腰の高さまであった雪は解けたものの、ブルーシートに覆われた残骸は2カ月前のまま。最初に機体が接触したとみられる尾根付近では倒木が生々しい切り口をさらしていた。「さらに機体を破損させてしまったら元も子もない」。県消防課職員は現地で、慎重に作業を進める考えを強調した。

 県は4月下旬に作業日程を発表した際、機体のつり上げ・回収を今月15日以降に行うとしていた。だが、今月になって作業日を24日以降に延ばした。捜査対象の「証拠品」を慎重に扱う、余裕を持った日程に練り直したという。

 墜落を巡って、県は事故前の機体点検で異常は見つからなかった―としている。その一方で、亡くなった9人の搭乗者の一人が撮影していた映像などからは、最初に接触したとみられる尾根まで1キロ余り、ヘリはほぼ一直線に低空飛行し、回避行動を取った形跡は確認できていない。

 機体からは事故原因につながる情報が得られる可能性があるだけに、県警の捜査関係者は「低空飛行の原因に機体の不具合があったのか、それとも全く別の要因だったのかが分かってくるだろう」とみている。

 県は今後、機体周辺の樹木伐採を終え、作業台の設置、機体の分解、梱包(こんぽう)に13〜23日の11日間を充てる計画。周囲に漏れ出た燃料に引火しないよう特殊カッターを使い、捜査に支障が出ない範囲で専門業者が現地で分解する。さらにつり上げを行う急斜面下の作業台まで架線を張り、傷つけずに下ろさなければならない。県の担当職員は「先が読めず、気が抜けない」と気を引き締める。

(5月11日)

長野県のニュース(5月11日)