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長印1億2000万円 使途不明 松本支店

長印松本支社が入る松本市公設地方卸売市場の建物=11日、松本市笹賀長印松本支社が入る松本市公設地方卸売市場の建物=11日、松本市笹賀
 青果卸の長印(長野市)松本支社(松本市)の会計に少なくとも1億2千万円に上る使途不明金があることが11日、分かった。不明金は同支社の前身の長印松本合同(2009年に長印に合併)時代から存在し、経理の不正操作によって発覚を免れてきたとみられる。不明金は今後さらに膨らむ可能性があり、長印は調査を継続する一方、不正に関わった関係者への損害賠償請求も視野に置いている。

 長印によると、不明金は昨年5月、本社経理部の内部監査で発覚した。帳簿上と実際の預金残高に差があることが分かり、調査したところ、元経理担当社員が長印子会社や一部取引先から簿外で借り入れたり、小切手を振り出したりして少なくとも1億2千万円の不明金を隠蔽(いんぺい)していたことが判明したという。

 元社員は長印松本合同時代からの社員で、長印への合併前から経理を担当。聞き取り調査に対し、不明金は合併時点で既にあった―と話したという。そもそも不明金がどのような経緯で発生したかは解明できておらず、長印は県警に相談している。元社員は昨年7月に退職し、不明金の一部について被害弁償したという。

 不明金発覚当時の長印社長の赤羽長一氏は、昨年6月に長印会長に就いたものの、今年3月に辞任。兼務していた青果卸の長野県連合青果(上田市)取締役も退いた。赤羽氏は02〜09年まで長印松本合同の社長で、長印側によると、以前から不明金の存在を承知しており、辞任は引責だったという。

 赤羽氏は11日、信濃毎日新聞の取材に対し、不明金を巡る引責辞任を認めた上で、不明金が生じた経緯などは「分からない」と述べた。

 長印は社内に調査チームを設置。親会社のR&Cホールディングス(HD、長野市)と連携し、弁護士、税理士を交えて調査を続けている。

 長印松本合同では1998年、税務当局から1990年度からの7年間で法人所得計5千万円余の申告漏れを指摘され、一部が当時の社長の個人的支出に充てられていたことが発覚し、同社長が引責辞任している。

(5月12日)

長野県のニュース(5月12日)