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原発講演会、佐久市教委が後援を取り消し 

佐久市教委が後援を取り消した講演会のチラシ。刷り直しできず、後援欄には「佐久市教育委員会」の名前が入ったまま佐久市教委が後援を取り消した講演会のチラシ。刷り直しできず、後援欄には「佐久市教育委員会」の名前が入ったまま
 佐久地方の市民有志が27日に佐久市で開く元京都大原子炉実験所助教の小出裕章さん=松本市在住=の講演会を巡り、佐久市教委が、いったん承認した後援を外部の指摘を機に取り消していたことが12日、分かった。後援依頼の申請書類になかった政治目的に該当する内容を含むため―と市教委は説明。実行委は「日本の将来を考える場にしたかったのに、疑問だ」としている。

 講演会は「子どもたちのいのちと未来のために知っておきたい大切なこと」と題し、市佐久平交流センターで開く。小出さんは研究者の立場で原発の危険性を訴え、全国で講演会などに招かれている。親の会や平和団体などでつくる実行委が主催。小諸市教委と北佐久郡御代田町教委、ミニコミ紙、脱原発団体など10団体以上が後援している。

 実行委は、佐久市教委に1月31日に後援を申請。市教委によると、実行委側から「放射能などについて科学的に正確に伝える」「子どもの安全に関する話」などと説明を受け、市要綱の「政治的活動又は宗教的活動を目的としないもの」に沿うと判断。2月3日、後援を承認したという。

 その後、小中学校で配られた講演会のチラシに「We love原発のない世界」との言葉があるとし、保護者や市民から「政治活動に当たるのではないか」との電話やメールが計4件あった。市教委は「原発の賛否は国民の間で割れている」とし、一転、今月9日になって後援を取り消した。荻原幸一・市教委社会教育部長は「紆余曲折(うよきょくせつ)があったことは申し訳ないと謝罪した」とする。

 これに対して実行委代表の桑田温美さん(45)=御代田町=は、東京電力福島第1原発事故で今も多くの避難民がいることなどを踏まえ、「問題は今も続いている。原発について市民が学ぶ場が政治的なのだろうか」としている。

 一方、小諸市教委は、小出さんがかつて同市の市民大学で講演したことから「講演者は政治家でもない。特定の政治活動とは認められない」、御代田町教委も、住民学習に寄与する―などとして後援を承認。現時点で後援の方針は変わらないとしている。

(5月13日)

長野県のニュース(5月13日)