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累犯の悪循環止めたい 松本少年刑務所 出所後の支援

男性受刑者の出所を控え、福祉関係者らが集まった合同会議=4月27日、松本少年刑務所内男性受刑者の出所を控え、福祉関係者らが集まった合同会議=4月27日、松本少年刑務所内
 松本少年刑務所(松本市)が、知的障害などがあり犯罪を繰り返してしまう「累犯障害者」の出所後を見据えた支援活動に乗り出している。出所を控えた軽度の知的障害がある20代の男性受刑者について、担当弁護士や福祉関係者らを交えた合同会議を今年1月から開催。悪循環を断とうと、出所後の住まいや福祉施設の利用に道筋を付けた。

 政府の犯罪対策閣僚会議が2014年に再犯防止に向けた「犯罪に戻らない・戻さない」宣言をまとめたのを機に、各地の刑務所がそれぞれ進めている独自支援の一つ。関係者が刑務所内に集まって、出所後の更生を支援するのは全国でも珍しいという。

 男性は無免許運転や盗みで数回の逮捕歴があり、服役は2回目。県外の刑務所を昨年出た後、不良仲間と再び付き合うようになり、依頼を断れず無免許で運転し、道交法違反の罪で実刑判決を受けた。昨年5月に松本少年刑務所に入った。

 合同会議はこれまでに3回開催。自治体の福祉担当者や社会福祉法人の障害者相談員、グループホーム担当者、学校教員らが出席し、弁護士から男性の生い立ちや犯罪の経緯を聞いたり、男性に今後の希望を聞いたりした。

 会議では、出所後の男性に向いた居場所の確保が必要と判断。不良仲間と離れた地域で障害者グループホームに住み、共同作業所で仕事をする方針が固まった。

 弁護士が松本少年刑務所に支援を要請し、同刑務所職員で社会福祉士の小林和恵さん(41)らが中心となり合同会議を開くことになった。

 法務省の2012年の調査によると、全国の受刑者5万6039人のうち、知的障害かその疑いのある受刑者は全体の2%の1274人。

 小林さんは「障害のある受刑者は出所後の環境が整っていないと、犯罪を繰り返してしまうことがある。立ち直りには、福祉や地域の協力が欠かせない」と話す。今後も別の受刑者の支援を続けるという。

(5月16日)

長野県のニュース(5月16日)