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松くい虫対策で松本市が薬剤散布エリア拡大 再考求める声も

松枯れが進行した松本市四賀地区の山林=2015年3月(松本市提供)松枯れが進行した松本市四賀地区の山林=2015年3月(松本市提供)
 松本市は本年度、松くい虫の被害対策として四賀地区で2013年度から行ってきた無人ヘリコプターによる薬剤散布を、里山辺地区と本郷地区でも行う準備を進めている。里山辺地区では16日、地元町会長らでつくる松くい虫対策協議会が市の散布計画を承認。本郷地区の協議会も市に薬剤散布を要望している。一方、健康に影響があるのではないかと心配する両地区の住民有志もおり、計画の再考を求めている。

 市によると本年度の薬剤散布は、四賀地区の47ヘクタールに里山辺、本郷両地区の20ヘクタールを加えた計67ヘクタールで行う予定。里山辺地区の協議会は16日、市が示した地区内の計13ヘクタールで散布をすることで一致した。

 県林務部によると、薬剤散布の方法は、松本市などが行う無人ヘリ散布のほか、噴霧器を使って地上から行う地上散布、有人ヘリから行う「特別防除」がある。木のてっぺんの数メートル上から行う無人ヘリ散布や地上散布は、薬剤が飛散する範囲を絞れるという。

 県内で本年度無人ヘリ散布を予定するのは、松本市のほか安曇野市など3市町。地上散布は、飯田市など12市町村が予定し、特別防除は駒ケ根市、下伊那郡豊丘村など8市町村が計画している。

 里山辺、本郷の両地区の住民有志は、薬剤の健康への影響を心配するほか、協議会による意思決定を「知らない住民もいる」と疑問視。16日、里山辺地区の協議会の事務局を務める市に散布の再考を求める申し入れ書を出した。有志代表の安藤絵美子弁護士は、「健康被害が発生しないと断言し、住民総意のもとで薬剤散布ができるか考えてほしい」としている。

 松本市によると、散布を続けてきた四賀地区では松くい虫の被害を防ぐ効果が出ているが、里山辺、本郷地区では被害が広がっていた。市耕地林務課は「薬剤散布は地元の要望を踏まえて計画している。無人ヘリ散布は、飛散の危険性は少ない」としている。

(5月17日)

長野県のニュース(5月17日)