長野県のニュース

松本城 大規模補強工事へ 「震度6強〜7で一部倒壊危険性」

耐震診断の結果を受け、補強工事に向けて動き出す松本市の国宝松本城=17日耐震診断の結果を受け、補強工事に向けて動き出す松本市の国宝松本城=17日
 松本市教育委員会は17日、2014年度から3年間行った国宝松本城(松本市)の耐震診断の結果として、震度6強〜7の地震が起きた場合、天守の一部が倒壊する危険性があるとの判定を公表した。同城への本格的な耐震診断は初めて。本年度中に補強工事に向けた耐震対策基本計画を作る。松本城管理事務所は「『昭和の大修理』以来の大掛かりな工事が想定される」としている。

 同事務所は観光客らの安全に配慮し今後、「混雑時の天守への入場制限も検討する」としている。補強工事の着工は19年度を目標とする。工事期間は工法などによって異なるが、「最低でも数年にわたるだろう」としている。工事期間中に天守などに入場規制を掛けるかどうかなど公開の在り方も、基本計画作りと同時に詰める。

 耐震診断は、東日本大震災を機に文化庁が定めた指針に基づき、文化財建造物保存技術協会(東京)に委託して実施。糸魚川―静岡構造線断層帯を震源とする最大規模(震度6強〜7)の地震を想定し、指針の「安全確保水準」を満たすかどうかや、揺れに対する部材の強度などを調べた。その結果、震度6強〜7の地震では倒壊の危険性があり、震度5強の場合は「非倒壊」との判定が出た。

 最大規模の地震の際の天守5棟(大天守、乾小天守(いぬいこてんしゅ)、月見櫓(つきみやぐら)、辰巳附櫓(たつみつけやぐら)、渡櫓(わたりやぐら))別の診断結果も公表。強度不足により乾小天守の1、2階は倒壊するとした。大天守や月見櫓なども、建物が変形したり、倒壊したりする危険性が一部にあるとしている。

 有識者による検討委員会を7月ごろから開き、具体的な補強工事の方法を協議する。耐震対策基本計画のほか、地震などが起きた際の避難誘導計画も本年度中に完成させる方針。同事務所の中嶋岳大(たけひろ)所長は「慎重な検討が必要だが、一刻も早い着工に向けて取り組みたい」としている。

 同事務所はこの日、診断結果を知らせる看板を天守前などに掲げた。天守下の石垣の耐震性能についても、対策を検討していくという。

(5月18日)

長野県のニュース(5月18日)