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ロシアゲート 米大統領に捜査のメスが

 米大統領選のさなかトランプ陣営とロシアとの間に「不適切な関係」があったのか。大統領に就任したトランプ氏も関わったのか。疑惑の追及へ、態勢が整いつつある。

 司法省が、捜査を統括する特別検察官に元連邦捜査局(FBI)長官のモラー氏を任命した。議会内にも独立調査委員会で真相を究明しようとの動きがある。

 米政界の混乱が長引けば、国際社会にも影響する。全容の解明を急いでもらいたい。

 事の発端は昨年の大統領選だ。元国務長官ヒラリー・クリントン氏の陣営にサイバー攻撃が仕掛けられた。米情報機関は選挙後、ロシアのプーチン大統領がトランプ氏の勝利を狙って攻撃を指示したと断定している。

 FBIは、トランプ陣営がロシアと結託して選挙に干渉した可能性があるとし、捜査してきた。特に、トランプ政権の発足前からロシアと折衝したことで辞任した、元大統領補佐官のフリン氏に疑いの目が向けられている。

 トランプ大統領は、フリン氏が辞任した翌日、執務室でFBI長官に「見逃してやってくれ」と、フリン氏に対する捜査の中止を求めたとされる。米主要メディアが一斉に報じている。自分が捜査対象になっていないかを、長官に何度も尋ねていたともいう。

 事実とすれば露骨な司法介入で見過ごせない。与党共和党でも批判の声が高まっている。

 特別検察官は政権の影響を受けずに不正を捜査、起訴することができる。捜査の期限や予算の面でも大きな権限を握る。

 トランプ大統領は今月、FBI長官を突然解任した。ロシアのラブロフ外相には、同盟国から提供された「イスラム国」(IS)に関する機密情報を漏らしたとも伝えられている。

 司法省はモラー氏に「ロシア政府とのつながりや連携などあらゆる事象」を捜査対象とするよう指示しており、こうした問題の解明も含まれると受け取れる。

 トランプ大統領は19日から、初の外遊で中東や欧州を訪問する。政権の足場がこうぐらついていては、何を言ったところで相手国の信頼を十分に得られないだろう。10月からの2018会計年度の予算の先行きも危ぶまれる。

 トランプ政権側は一連の疑惑を否定している。ならば、会議録の提供をはじめ捜査に全面的に協力し、潔白を証明すべきだ。万が一にも妨害するようなことがあってはならない。

(5月19日)

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