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丹精アツモリソウ咲いた 上伊那農高バイテク班栽培

開花したアツモリソウを見る上伊那農業高校バイテク班の生徒開花したアツモリソウを見る上伊那農業高校バイテク班の生徒
 環境省と県のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている野生のアツモリソウの保全活動に取り組む上伊那農業高校(上伊那郡南箕輪村)のバイテク班が、2007年に種を無菌の状態で発芽させる無菌培養で育てたアツモリソウが開花した。同校で無菌培養したアツモリソウの開花は初めて。生徒たちは「10年越しの願いが花開いた」と喜んでいる。

 開花したのは、濃い紫が特徴のホテイアツモリソウ。花の袋の部分が約3・5センチある。バイテク班顧問の有賀美保子教諭(40)によると、16日に咲き始め、18日に完全に開花した。

 同班の研究は、同校出身で、アツモリソウを残そうと自宅で栽培する西村和裕さん(71)=伊那市長谷=が母校に呼び掛け、10年前に始まった。西村さんが育てたアツモリソウから種を採取して育て、今年3月には設備を改修してアツモリソウにしっかり光が当たるようにし、従来とは違う肥料を使うなど工夫を重ねたという。

 班長で3年の西條雄真さん(18)は「先輩から引き継いできた大切な花が咲いてうれしく、自信になった」と笑顔を見せた。同校から開花の知らせを聞いた西村さんは「アツモリソウは咲くのに最短で8年かかり、手を抜くとすぐ枯れてしまう。生徒は3年で入れ替わるが、10年間よく大切に育ててくれた」と感激していた。

 バイテク班は昨年5月、県の保護回復事業に学校の団体として初めて認定され、盗掘やシカの食害で減少している美ケ原高原(松本市など)のアツモリソウに人工授粉してできた種を無菌培養し、校内で育てている。有賀教諭は「時間はかかると思うが、美ケ原のアツモリソウも開花まで持っていけたらいい」と話している。

(5月20日)

長野県のニュース(5月20日)