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加計文書 第三者による調査が要る

 学校法人加計学園の獣医学部新設を巡り、百八十度異なる調査結果が発表された。

 「総理の意向」「官邸の最高レベルが言っていること」と内閣府から言われた―。そんな内容の文書が省内にあったとの結果を文部科学省が発表したのに対して、内閣府は真っ向から否定。そう発言した内閣府職員はいない、との結果を発表している。

 二つの調査結果のどちらかが間違っていることになる。うやむやには済ませられない。第三者による調査が必要だ。

 文科省の調査では民進党などが示した19文書のうち14文書が見つかった。「萩生田内閣官房副長官の反応はあまりなかった」など、その内容からは文科省側が内閣府の出方を気にしている様子が生々しく伝わってくる。

 文科省は5月にも調査を行っている。半日かけて7人から聞き取り調査しただけで、「文書の存在は確認できなかった」との結論を出した。個人のメモやパソコンは調べていない。

 官邸の意向を忖度(そんたく)した、結論ありきの調査だった疑いが濃い。世論の批判を浴び再調査を余儀なくされて、文書の存在を認めざるを得なくなった。

 文書について報じられた時、政府には真相解明の姿勢が全くなかった。菅義偉官房長官は「出どころも明確でない怪文書」とはねつけた。義家弘介文科副大臣は文書を誰が省外に出したか調べ、処分する可能性に触れた。疑惑を隠すつもりだったのではないかと言われても仕方ない対応だった。

 内閣府の調査結果では、「総理の意向」「官邸の最高レベルが言っていること」と述べた職員はいない、とされている。

 政治の介入によって行政がねじ曲げられたのではないか、という疑惑である。食い違いをそのままにするわけにはいかない。

 当事者による調査では説得力がない。政府にその気がないのなら、国会が専門家に頼んで解明に当たるべきだ。

 通常国会はあすで会期を終える。森友学園問題を含め、疑惑にふたをするかのような議事運営だった。最後は共謀罪法案の強行採決で閉幕に向かっている。

 会期が終わっても閉会中審査で証人喚問ができる。文科省の文書については、「確実に存在していた」と証言した前川喜平前事務次官が喚問に応じる姿勢でいる。「総理の意向」の発言者だと前川氏が名指しした内閣府の藤原豊審議官も含め、問いただすべきだ。

(6月17日)

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