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警戒レベル判断経緯 焦点 御嶽山噴火訴訟

 2014年9月の御嶽山噴火災害で亡くなった犠牲者の遺族が、噴火警戒レベルを1(当時=平常)から2(火口周辺規制)へ事前に引き上げるのを怠ったなどとして、国と県に総額1億4千万円の損害賠償を求めた地裁松本支部の訴訟は、原告と被告の主張が出そろった。前兆とも取れる火山性地震が増えた9月10日から噴火した27日まで、気象庁は「総合的な判断」で引き上げを見送ったとする。原告側は、判断の詳細な説明を迫る。気象庁がどう答えるかが今後の審理で焦点となる。

 判定基準が定めたレベル2への引き上げ条件の一つ「火山性地震が1日50回以上」に達したのは10日。この日52回を記録し、翌日は85回に増えた。これを受け気象庁は11日午前、活発化の状況を「解説情報」にまとめ、火山噴火予知連絡会委員らにメールで知らせている。

 原告側は、10、11両日に誰がどう検討し、レベル据え置きを判断したのか、詳細な説明を求める。名古屋大の専門家が「低周波地震や微動が発生した場合には次の段階」とメールで気象庁に指摘していたことも重視。14日以降、低周波地震が起きており、指摘をどう踏まえたかも論点となる。

 国側は今月14日の第2回口頭弁論までに出した準備書面で、1991年と07年の御嶽山噴火時の観測データとの比較を重視する姿勢を見せた。14年噴火が、過去の事例からパターン化できる活動とは異なると強調。現在の噴火予知の科学水準も解説し、検討を尽くしたとの考えを示している。

 レベル判断を巡っては専門家の間にも、予知の科学的限界を認める一方、当時の「具体的検証が不十分」との指摘がある。国側代理人は、判断に至る詳細なやりとりについて「要否を含めて回答する」とした。原告側の山下潤弁護士は「責任の所在がどこにあったか、将来の噴火予知を適切なものにするためにも明らかにしたい」としている。

 次回弁論は7月19日。

(6月19日)

長野県のニュース(6月19日)