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地域防災担う防災士養成 松本大が講義開講へ

 松本大(松本市)は本年度後期の授業から、防災意識の啓発や災害時の避難所運営などをする「防災士」を養成する「防災総論」の講義を開講する。2011年3月の東日本大震災以降、同年6月30日に松本市で震度5強を観測した地震など県内外で災害が相次いでいることを踏まえた。14年度から開いている市民や学生対象の防災士養成講座とは別に、学生が深く学べる態勢をつくり、地域防災を担う人材育成をより強める。

 防災総論は9月下旬に開講予定。市民らが対象の養成講座は2日間で集中的に学ぶ一方、講義では長い期間をかけてじっくりと学べる。授業であるため、学生の費用負担を抑えられる利点もある。

 講義を担当する総合経営学部の木村晴寿教授は「より中身の濃い講義をして多くの防災士を育てたい」と説明。本年度は「災害とライフライン」「災害情報の発信と入手」「災害と応急対策」などをテーマに15回実施。来年度以降も継続して受講すると、受験資格が得られる。

 松本市は大地震の発生確率が高い糸魚川―静岡構造線断層帯が通り、発生時に大きな被害が予想される。木村教授によると、物資配給や避難住民の役割分担など多様な仕事がある避難所運営や、日常的な防災訓練で、防災士の専門的な知識が役立つ。

 松本大は東日本大震災以降、木村教授らが被災地の宮城県石巻市で復興支援を続けた。地元でも災害に備えた人材の育成や地域づくりに貢献しようと養成講座を始めた。

 NPO法人日本防災士機構(東京)によると、県内では5月末時点で1675人が資格を取得。これまで県内の研修機関は松本大の養成講座が唯一で、市民や学生ら227人が資格を得た。今後も養成講座は並行して開いていく方針。資格取得後に知識を蓄えたり、経験を積んだりするため、資格取得者向けの研修会も検討している。

 木村教授は「大災害が起きたとき、助けを待っていても駄目。防災の知識を持った人を増やし、自分たちで対処する態勢をつくれるようにしたい」と話している。

(6月30日)

長野県のニュース(6月30日)