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古道の魅力は何か。旧千国(ちくに)街道・塩の道を歩く人々に問うと「曲がっているところ」との答えが多い。田中欣一さんが信濃毎日新聞社刊「塩の道歩けば旅びと」に書いている。その先に予期せぬ風景との出合いが待っているからという

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古道を歩き、歴史や文化を足の裏で感じながら思索を深めてきた。「塩の道祭り」の提唱者だ。第24回信毎賞に選ばれた。贈呈式のあいさつで松尾芭蕉の言葉〈東海道の一筋もしらぬ人、風雅におぼつかなし〉などを引いて「歩く」文化の復興を訴えた

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映画監督の降旗康男さんが描いてきたのは、曲がりくねった人生を重い荷物を背負って歩き、時にはその道からも外れてしまった人々である。贈呈式には松本深志高の同級生たちが祝福に駆け付けた。「これからも命が続く限りいただいた賞を励みにして仕事を続けていきたい」

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スピードスケートの小平奈緒さんはけがや体力低下を克服、500メートルの15レースに全勝した。人生の大先輩でもある田中さん、降旗さんのように「学び続けられる人生」を目指したいと語った。来年は長野五輪から20年。平昌大会が開かれる勝負の年だ

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道とは何か。「立ち止まり振り返った時に見える」と降旗さん。「人のつながりが築いてくれる」と小平さん。頂点への道は、チームでこそ切り開けるという。〈つきあたってまがれば風〉とは田中さんも好む漂泊の俳人山頭火の一句だ。曲がりくねった道の先に吹く未知の風に胸が弾む。

(7月6日)

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