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政策ビラ 町村議員選にも必要だ

 都道府県議会や市区議会の議員選挙でも運動用のビラを配れるようにする。そのための公職選挙法改正が先の国会で成立した。

 2019年3月の施行。次回の統一地方選で配布が本格化しそうだ。

 候補者の政策を有権者が知る機会が広がる。政策中心の選挙を進める上でも評価できる改革だ。

 問題は、町村議会の議員選が対象にならなかったことだ。県議、市議選と区別する必要がどこにあるのか。政策を訴える機会は均等にすべきだ。

 選挙運動用のビラは1975年の公選法改正で国政選挙での配布が認められた。07年からは都道府県や市区町村の首長選に拡大し、ローカルマニフェスト(公約集)として注目された。

 今回の改正で都道府県議選は1万6千枚まで、市区議選は4千枚までビラの配布を認める。各議会が条例で定めれば、作製費用を公費負担(公営)にできる。

 全国市議会議長会などの要望を受けて議員提案で立法された。

 なぜ町村議選は対象から外したのか―。先月の衆院特別委員会で、法案提出者の議員はこんな理由を挙げている。

 ▽町村議選は届け出時に納める供託金が不要とされていることもあり、選挙運動用自動車やポスター作製が公営になっていない。ビラ作製が公営になると整合性が取れない▽全国町村議長会から要望が上がっていない―。

 有権者の視点に欠けるのではないか。隣の市では政策ビラが読めるのに、わが町では読めないというのでは有権者軽視と言われても仕方がない。町村は供託金が不要なままでビラ作製を公営化できる改正が必要だ。

 町村は有権者が候補者の政策に触れられる機会が比較的少ない。

 主な手段は選挙公報だ。総務省によると、公報を発行する条例を設けていない自治体は市区が約1割なのに対し、町村は5割余を占める。

 長野県内の条例制定率は全国平均より高いが、それでも町村の2割近くが設けていない。

 町村の議員は、なり手不足が深刻化している。無投票で決まってしまう場合も少なくない。ビラや公報の活用が町村政に対する住民の意識を高め、新たな候補者を生むきっかけになる。そんな展開を目指したい。

 人口が減り、高齢化が進む町村の自治をどう活性化するか。ビラに限らず選挙のあり方を住民が議論し、発信することも大切だ。

(7月10日)

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