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松本市、里山辺の本年度薬剤散布断念 松枯れ防止

松本市里山辺地区の山林で松枯れにより変色したアカマツ=6月松本市里山辺地区の山林で松枯れにより変色したアカマツ=6月
 松本市は13日、松枯れ防止対策として初めて里山辺地区で計画していた無人ヘリコプターによる薬剤散布を、本年度は断念すると明らかにした。市農林部は「請負業者との調整が整わなかった」としている。同地区での薬剤散布計画を巡っては、健康への悪影響の懸念などから地区住民らが散布の差し止めを求めて地裁松本支部に提訴。市側は実施方針を変えず、膠着(こうちゃく)状態となっていた。

 ただ、市側は「登録されている農薬を国、県の基準を順守して使うので問題はない」(市耕地林務課)とし、来年度の散布実施に向けて準備する方針。訴訟の原告側も引き続き法廷で争う姿勢だ。

 原告団の母体となった散布に反対する住民の会の安藤絵美子代表(弁護士)は「本年度見送りの判断を菅谷昭市長から直接聞きたい」とし、中止を求める8千人超の署名を携えて、14日に市役所で面会を求めるとしている。

 市は本年度、里山辺地区の13・4ヘクタールと本郷地区の6・6ヘクタールで初めて散布を計画。里山辺地区では地元町会長らでつくる松くい虫対策協議会が5月に承認した。その後、両地区の住民らから薬剤の健康への悪影響を心配する声や、計画の周知が遅かったことへの不満が続出。本郷地区では6月、地元町会長らでつくる協議会が、実施予定日までに地元理解を得るのは難しいと判断し、市も本年度の実施を見送っていた。

 里山辺地区については、住民の会が6月に散布差し止めを求める仮処分申請や提訴に踏み切ったことを受け、散布の請負業者が「裁判所の判断を待ちたい」と説明。結論が出るまで散布を見合わせる考えを示し、市側は散布実施に向けて協議を続けていた。

 薬剤散布は、松枯れの原因とされる線虫を運ぶマツノマダラカミキリの羽化がピークとなる7月中下旬までが適期という。市は2013年度から散布を続ける四賀地区では、7月19、20日に本年度2回目の実施を予定している。

(7月14日)

長野県のニュース(7月14日)