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天狗の麦飯 謎に迫る 明治期採取の瓶を飯綱で保管

ドライヤーやつまようじを使い瓶を開けようとする田辺学芸員(左)と糟谷講師=20日、飯綱町ドライヤーやつまようじを使い瓶を開けようとする田辺学芸員(左)と糟谷講師=20日、飯綱町
 飯縄山(長野市)や黒姫山(上水内郡信濃町)の山中で、かつて修験者らが「食べられる土」として重用したと伝わる「天狗(てんぐ)の麦飯(むぎめし)」の入った瓶が上水内郡飯綱町の民家で見つかり、20日、菌類の専門家らが調査に訪れた。瓶には1908(明治41)年に黒姫山で採取したと記され、保管されてきたとみられる。同日は開封できなかったが、今後内容物を取り出し、培養を試みる。

 天狗の麦飯は、菌類などの集合体とされる。見つかったのは、高さ15センチ、直径8センチほどのガラス瓶。飯綱町の「いいづな歴史ふれあい館」によると、本来はゼリー状の粒とされるが、密閉された瓶には泥状の物質と、水のような液体が確認できた。貼られたラベルには「天狗麦飯 明治四十一年八月十八日黒姫山頭 天狗土庭テ採集」とある。

 同館によると、瓶は明治、大正期に旧高岡村(現飯綱町)で小学校長を務めた小林頼利氏の旧家にあった。空いていた家屋を、町が移住体験用に使おうと所有者から借り、今年2月の工事中、同館学芸員らが2階の屋根裏で発見。3月に同館へ寄贈された。小山丈夫学芸員は、小林氏が採取したとみている。

 20日は、地質に詳しい戸隠地質化石博物館(長野市)の田辺智隆学芸員と、天狗の麦飯を研究する千葉科学大(千葉県銚子市)の糟谷大河講師(32)=菌類=が調査した。ふたの薬剤を溶かそうと試みたが、開かなかった。今後ふたを開ける方法を検討する。

 田辺学芸員は、天狗の麦飯が昨年1月、長野市寺尾小学校の理科準備室から見つかったことを明らかにした。39(昭和14)年に当時の教員が黒姫山で採取したとされ、糟谷講師らが数種類の細菌を取り出して培養しているという。

(7月21日)

長野県のニュース(7月21日)