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御嶽山 家族の面影求めて 山びこの会 2年目の慰霊登山

噴火で負傷した登山者を先頭に遺族らが続いた慰霊登山の一行。時折ガスが切れた=23日午前10時10分、王滝村噴火で負傷した登山者を先頭に遺族らが続いた慰霊登山の一行。時折ガスが切れた=23日午前10時10分、王滝村
 2014年9月27日に起きた御嶽山噴火災害の遺族や行方不明者の家族でつくる「山びこの会」は23日、木曽郡王滝村の王滝口登山道から慰霊登山をした。2年目の今回は、被災した元負傷者が初めて参加。計8組19人が雨の中、登山可能な9合目まで登り、犠牲者58人の冥福と、行方不明者5人の発見に向けた入山規制の緩和を願った。

 午前7時半すぎ、雨具で身を固めた参加者は、標高2180メートルの田の原登山口(7合目)を出発。花束をザックに背負った参加者らは8合目近くの森林限界を超え、黙々と上を目指した。途中、登山道脇に国特別天然記念物ニホンライチョウが姿を見せると、「息子が迎えに来てくれた」と喜ぶ遺族もいた。

 午前10時半すぎ、規制線が張られた9合目に到着。犠牲者一人一人の顔写真を載せた色紙を岩に掲げ、花束や線香を供えた。帰途、噴火時刻の午前11時52分には、立ち止まって黙とうした。

 愛知県刈谷市の野村正則さん(54)は9合目で、規制線の先を見つめた。その先に、一緒に登り、行方不明になったおいの亮太さん=当時(19)=を見失った場所がある。噴火時に火山灰まみれになった自身の経験を踏まえ、「今も火山灰をかぶった亮太をきれいにしてあげたい」。持参したペットボトルの水をまいた。

 気象庁は現在、火山活動が静穏化したとして、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げることを検討している。山びこの会の調査などから亮太さんの発見には、入山規制が続く山頂付近の捜索が欠かせない。父親の敏明さん(57)=愛知県刈谷市=は噴火警戒レベル引き下げと、入山規制緩和を見据えて、「早く息子を迎えに行きたい」と話した。

 山びこの会事務局代表のシャーロック英子さん(58)=東京都=は「規制が緩和されたら、遺族や行方不明者の家族の気持ちをかなえるために再び登りたい」と話した。

(7月24日)

長野県のニュース(7月24日)