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交流あった地元詩人を語る 塩尻で田中欣一さん講演

塩尻出身の詩人島崎さんについて語る田中さん塩尻出身の詩人島崎さんについて語る田中さん
 民俗・思想史研究家の田中欣一さん(88)=北安曇郡白馬村=が23日、塩尻市内で、同市出身の詩人島崎光正さん(1919〜2000年)について講演した。作品の朗読を交え、さまざまな困難と向き合いつつ創作を続けた島崎さんの生涯を紹介した。

 市と市教委が本年度、通年の連続講座「本の寺子屋」の一環で始めた「地域文化サロン」の初回。島崎さんと交流があった田中さんに講師を依頼した。田中さんは今年の第24回信毎賞を受賞している。

 講演会には約90人が参加。田中さんは島崎さんの「こほろぎ」という詩の一節「床下でこほろぎが鳴いてゐる 耳の聞(きこ)えなくなつた祖母と二人で ジャムの匙(さじ)をかはるがはる取上(とりあ)げる」を挙げ、「ごく身近な風景だけど訴えてくるものがある」と語った。

 島崎さんは両脚に障害があり、生後間もなく父を亡くした。戦時中は、文芸誌発行などの活動で治安維持法違反の疑いをかけられ逮捕。田中さんは「常ならぬ人生を生まれ落ちた時から歩んできた」と述べた。

 市立図書館は島崎さんの詩や遺品を展示する回顧展を25日〜8月27日に開く。無料。田中さんらでつくる「島崎光正さんを偲(しの)ぶ会」は8月27日午後1時半、島崎さんの詩の朗読や楽曲を披露する会を開く。入場料2千円。チケット購入は市レザンホール(電話0263・53・5503)。

(7月24日)

長野県のニュース(7月24日)