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上田市で高齢ドライバーの免許返納急増 タクシー補助券が効果

上田市が配っているタクシーなどの利用補助券上田市が配っているタクシーなどの利用補助券
 長野県上田市で本年度、運転免許証を自主返納した65歳以上の高齢ドライバーが4月からの3カ月間で156人となり、前年同期の88人の2倍近くに急増していることが県警東北信運転免許課のまとめで分かった。市は本年度から、免許証を自主返納した65歳以上の希望者に対し、市内に営業所があるタクシー9社か武石地域で運行するデマンドタクシーのいずれかの利用補助券(1万円分)を配っており、施策に一定の効果があったと受け止めている。

 市は、免許証を返納した高齢者が買い物や通院などで不便にならないよう利用補助券を配布。市管理課交通政策係によると、4月から今月19日までに利用補助券の申請書を出した人は75人。利用補助券の存在を返納理由に挙げる人も多いという。

 上田小県地域は他地域と同様、高齢ドライバーが加害者となる交通事故の増加が課題。上田署のまとめだと、上田市を含む管内で今年発生した交通人身事故は18日時点で496件(前年同期比1件減)で、うち高齢者が第1当事者(加害者)となったのは125件(前年同期比27件増)。同署の川村良一交通課長は「免許証を返納すれば、少なくとも高齢者が加害者となる事故は減る」とする。

 一方で、市街地から離れた地域に住む高齢者からは、車は貴重な移動手段のため、免許証の自主返納は難しいという声も上がる。市北東部の真田地域に住む倉島典男さん(88)=上田市真田町長(おさ)=は「病院に行くにも買い物に行くにも車は必要。車がなくなったら生きていけなくなる」。飯塚光江さん(85)=同=は「バスを使おうにも、最も近いバス停まで歩いて30分はかかる」と、公共交通機関の利用しづらさも指摘する。

 飯塚さんは「昔はバスの本数も多く、鉄道もあった。今は自家用車なしでは市街地へのアクセスが困難」と、公共交通機関の充実を求める。これに対し、市管理課交通政策係の竹花努主事は「今後、返納者を地域別に分析し、状況によって(予約に応じて運行する)デマンドタクシーの充実などを検討する」と話す。

 また、全ての集落を結ぶ路線を市として構築するのは難しいとし、「(循環バスやデマンド交通など)自治会が運営する代替交通手段を市がバックアップする形を取ることもできる」としている。

(7月25日)

長野県のニュース(7月25日)