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民進党 追求を強める時なのに

 民進党の蓮舫代表が辞任する意向を表明した。野党第1党の混迷の深さが改めて浮かび上がる。

 新たな代表を早急に選び、態勢を立て直さなければならない。

 国会内で開いた臨時の執行役員会で了承された後、記者会見で表明した。「いったん引いて新しい執行部に率いてもらうのが最善だと考えた」とする。

 「東京都議選を通じて自身の足らざる部分に気付いた。統率する力が不足していた」などと理由を述べている。戸籍謄本の公表に踏み切った「二重国籍」問題については、辞任の判断と「全く別次元の問題」とした。

 昨年9月の就任から1年たたないうちに、代表の座を退くことになった。知名度の高さなどから党の顔として期待されながら、指導力を発揮できなかった。党支持率は低迷したままだ。

 「求心力ではなく、遠心力を働かせてしまった」と蓮舫氏が認めるように、党内のばらばら感は解消されていない。

 改憲や野党共闘を巡る考え方の違いを理由に離党や役員辞任が続いた。「原発ゼロ」を巡り「高く掲げる旗を党大会で示したい」と目標の前倒しに意欲を示したものの、年限提示を見送る尻すぼみに終わっている。

 都議選は公認候補の離党が相次ぎ、旧民主党時代を含め過去最低の5議席にとどまった。惨敗を受けての会議では執行部の責任を問う声や解党を求める厳しい意見が出ていた。辞任はやむなしとしても、足を引っ張り合う党の体質は救いがない。

 内閣支持率が大きく下がり、安倍晋三首相の「1強」が揺らいでいる。加計学園の獣医学部を巡る疑惑、南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報問題など政権に対して追及を強める時なのに、ふがいない状況だ。

 与党の数の力による強引な国会運営が当たり前のように繰り返されている。共謀罪法では委員会採決を省き、本会議で成立させる禁じ手まで持ち出した。政治に緊張感をもたらすには、対抗できる野党の存在が欠かせない。

 蓮舫氏は「速やかに代表選に入り、新しい執行部をつくってもらう」とした。後任には枝野幸男元官房長官、前原誠司元外相らの名前が挙がっている。

 誰が代表に就くにせよ、党勢回復への道は険しい。挙党態勢をつくり、政権に批判的な民意の受け皿を整えられるか。最大野党としての正念場である。

(7月28日)

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