長野県のニュース

王滝出身の藤本さん、女子ラグビーW杯代表入り懸け和歌山で合宿

声を出してボールを呼び込む藤本さん(手前右)=27日、和歌山県上富田町声を出してボールを呼び込む藤本さん(手前右)=27日、和歌山県上富田町
 木曽郡王滝村出身のラグビー選手、藤本麻依子さん(25)=横浜市=が、アイルランドで8月9日に開幕する女子ラグビーのワールドカップ(W杯)の日本代表入りを懸けて、和歌山県で直前合宿に臨んでいる。実家は、2014年9月に噴火災害が起きた御嶽山の2合目にある民宿。甚大な被害を目の当たりにし、「ワールドカップで活躍して王滝村を元気づけたい」と代表入りに意欲を見せる。

 27日、同県上富田(かみとんだ)町のグラウンド。クラブチームなどから招集された選手30人が、熱の入った練習をしていた。藤本さんもその中の一人。ポジションはスクラムの最前列を務めるプロップだ。動きが激しく、相手チームから攻撃も受ける。藤本さんはボールを持って相手に突っ込むのが得意で、終盤まで運動量が落ちない体力にも自信を持つ。

 王滝小中学校から木曽青峰高校(木曽町)へ。ソフトボールに打ち込み、強豪の中京大(名古屋市)に進んだ。4年の時、授業でラグビーをして「やってみたい」と思った。卒業後は紹介された横浜市のクラブチーム「YOKOHAMA TKM」に入った。

 保育園の時から登ってきた御嶽山。噴火はショックだった。実家の民宿には警察官が救助で泊まり込んだ。直後は、民宿を手伝うために仕事と練習を休んで帰郷。遺族と話をし、「息子にもう会えない」との悲痛な声を聞いたこともある。そんな経験から「苦しいこともつらいことも、生きているからこそ味わえる」と考えるようになった。

 競技を始めてから、アキレス腱や前十字靱帯(じんたい)を断裂するなど選手生命に関わる大けがを2回した。走ることができない日々は最長で8カ月。それでも「噴火災害で亡くなった人たちを思えば、好きなラグビーができる今に感謝する」と、リハビリと筋力トレーニングに打ち込んだ。

 昨年12月のW杯アジア・オセアニア予選は合宿に呼ばれたがけがが治った直後で離脱。4月にも招集され、7月の女子アジア選手権に出場。勝利に貢献し日本は優勝した。

 日本ラグビーフットボール協会(東京)によると、合宿参加者30人のうち28人がW杯のメンバーに選ばれ、試合ごとに23人がベンチに入る。メンバー発表は30日。藤本さんは「多くの人に支えられてここまできた。代表となり恩返しをしたい」と力を込める。

(7月28日)

長野県のニュース(7月28日)