長野県のニュース

「ヒアリ」どう見分ければ 県に問い合わせ9件

 強い毒を持つ特定外来生物の「ヒアリ」が国内で初めて確認された6月以降、「ヒアリのようなアリがいる」との通報が長野県に28日夕までに9件寄せられた。いずれもヒアリとは違った。同様の問い合わせは今後、増える可能性があり、国と県は、国などの検査機関だけでは対応できないとして、市町村にヒアリかどうかを見極める簡易的な「同定作業」を行うよう要請。市町村では顕微鏡を導入するなどの動きが出始めたが、昆虫に詳しい担当職員を配置するのも難しく、「見落としたら怖い」と困惑する声も聞かれる。

 環境省によると、ヒアリは27日までに名古屋港など10カ所で見つかり、内陸部でも、愛知県春日井市の倉庫に運ばれた貨物から発見された。発見された周辺では、住民からの問い合わせが同省の現地機関や自治体に殺到している。

 同省外来生物対策室の担当者は「多い所では1日に200件の問い合わせがある。対応が難しくなっている」と漏らす。名古屋市には6月中旬以降、約160件の問い合わせが寄せられたという。

 長野県は寄せられた9件のうち3件は自ら同定作業を行い、残る6件は同省の長野自然環境事務所(長野市)に依頼した。同事務所の担当者は「現地でアリを採取するなど手間が掛かる。今後、通報件数が増えれば対応は難しく、市町村である程度の同定作業をお願いしたい」とする。

 ヒアリは赤茶色で、大きさが2・5ミリから6・0ミリと幅がある。背中に二つのこぶがあるのも特徴だ。同省はマニュアルを作成し、肉眼でもある程度分かるほか、顕微鏡で詳しく観察することで他のアリと区別できるとし、今月13日付で、簡易的な同定作業を都道府県に依頼。さらに県は、20日付で県内市町村に同定作業を依頼した。

 長野市では今月、市内の公園と大型商業施設近くで「ヒアリのようなアリがいる」との通報があった。ともにアリを現場で採取し、県側に同定作業を依頼した。県から依頼を受け、自ら同定作業を行うために顕微鏡を購入したが、市環境政策課の担当者は「一般の職員による同定作業で見落としたら怖い。通報があったら、基本的には県に相談することになる」と話す。県内の別の市の担当者も「同定作業を自分たちで行うのは難しいのではないか。まだ顕微鏡も購入していない」とする。

 県自然保護課は「市町村からの相談にはしっかり対応する」と説明。住民にも「ヒアリとみられるアリを発見した場合は決して触らず、地元の市町村や近くの県地域振興局に通報してほしい」と呼び掛けている。

(7月29日)

長野県のニュース(7月29日)