長野県のニュース

旧陸軍「登戸研究所」後世に伝えよう 駒ケ根市で平和講座

高校時代の調査を振り返る北原さん(右)。山田館長(左)は高校生が調査した意義について話した高校時代の調査を振り返る北原さん(右)。山田館長(左)は高校生が調査した意義について話した
 太平洋戦争末期に駒ケ根市中沢などに疎開した旧陸軍登戸研究所について学び、後世にどう伝えるかを考える平和講座が30日、同市赤穂公民館であった。高度な軍事機密だった同研究所の実態を赤穂高校(駒ケ根市)在学時に調べた北原いづみさん(46)=駒ケ根市=が当時を振り返り、明治大平和教育登戸研究所資料館(川崎市)の山田朗(あきら)館長(60)が高校生による調査の意義などを話した。

 駒ケ根市内の公民館でつくる市公民館協議会が主催し、約100人が聴いた。山田館長によると、同研究所は1937(昭和12)年、現在の川崎市登戸に前身施設ができ、電波兵器や生物兵器などを研究。45年4月に本部と製造部門が駒ケ根市などに疎開し、小学校や社寺で爆弾などを製造したという。

 同研究所の活動は長年明らかになっていなかったが、同高在学中に平和ゼミナールで活動していた北原さんが、地域にあった研究所の歴史を文化祭で発表したいと調査を開始。ゼミナールの生徒や顧問の木下健蔵さん(当時)が地元で聞き取りをした。

 北原さんは「研究所の状況を詳しく知る人から話が聞けた時は、戦争を目の当たりにしたような気持ちになった」と振り返った。山田さんは、研究所について絶対に話さないと決めていた人たちと、生徒たちが信頼関係を築いたとし、「(研究所があったという歴史を)平和のために生かすかどうかは私たち次第」と話した。

(7月31日)

長野県のニュース(7月31日)