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北のミサイル 対応を練り直さねば

 核・ミサイル開発に突き進む北朝鮮にどう対応するか、手詰まり感ばかりが募る。国際社会は局面打開へ向けて本気で知恵を絞らねばならない。

 北朝鮮が2回目の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。7月上旬の前回同様、高く打ち上げて飛距離を抑える「ロフテッド軌道」を使い、北海道・奥尻島に近い日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下させた。

 過去最高の高度に達し、通常軌道なら米国中西部にまで届くとの見方が出ている。

 米軍と韓国軍は対抗して弾道ミサイルの発射演習を行った。米軍は続いて戦略爆撃機を出動させ、航空自衛隊や韓国空軍と共同訓練も実施している。

 金正恩政権は今後も弾道ミサイルの発射を続けるだろう。軍事的な緊張を高めるばかりか、不測の事態を招く恐れがある。容認することはできない。

 問題なのは、北朝鮮への対応で関係各国の足並みが一向にそろわないことだ。

 安倍晋三首相はトランプ米大統領と電話会談し、圧力強化に向けた行動を取る必要があるとの認識で一致した。自衛隊と米軍による訓練の高度化も図るという。

 トランプ氏は軍事力行使の示唆も含め、強硬なメッセージを出すことで、北朝鮮の挑発をやめさせようとしてきた。同時に北朝鮮と関係が深い中国に働き掛ければ、何とかなると楽観的に考えていたようだ。しかし、思惑通りにはならなかった。

 習近平指導部は秋に共産党大会を控えている。権力基盤をより固めようとしているときに事を荒立てたくないのだろう。

 北朝鮮と友好関係を維持するロシアも中国と同様、対話の重要性を訴えているが、真剣に実現しようとの動きは見えない。

 中ロと米はさまざまな場面で溝を深めている。加えてトランプ政権は発足して半年たっても政策の軸足が定まらない。こうした乱れが北朝鮮による揺さぶりを許しているといっていい。

 日米首脳は圧力強化に同調するよう、中ロに働き掛けを強めることも申し合わせた。

 トランプ政権は金正恩氏への制裁の検討を始めている。それも中ロは反対するとみられ、協調は実現しないだろう。今のままでは核・ミサイル開発で北朝鮮に時間的猶予を与えるだけだ。米国の有力者からは対話の重要性を指摘する声が出始めた。この機に北朝鮮対応を練り直すべきだ。

(8月1日)

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