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町村議会 これからを住民と探ろう

 町村議会をどう維持するか―。各方面で、こうした議論が活発になっている。

 総務省は「町村議会のあり方に関する研究会」を設けた。町村は議会を廃し、代わりに全有権者が参加する住民総会を置くことができる。研究会は総会の運営方法を話し合い、議員のなり手不足についても意見を交わす。

 なり手不足は、容易に解消策を見いだせる問題ではない。研究会は十分な時間をかけて、各地の議会の参考となる報告書をまとめてもらいたい。

 議論が盛んになったきっかけは人口400人余りの高知県大川村だ。2年後の村議選で定数6を満たすかどうか危ぶまれる状況となり、村は6月に「村総会」設置の検討を表明した。全国の議会でも同様の事態が進行しており、注目を集めた。

 2015年の統一地方選は、373町村議選のうち89が無投票で4町村が定数割れだった。道府県議選や市議選でも無投票当選の割合は大幅に増えている。

 長野県でもこの4年間、77市町村議選の27%が無投票だった。町村議選の34%を占め、定数割れとなっている議会もある。

 議会の担い手確保に向け、さまざまな案が浮上している。

 自民党は、地方議員に立候補できる年齢を現行の「25歳以上」から引き下げる案を検討している。野党も同趣旨の公職選挙法改正案などを提出済みだ。自民は地方議員が厚生年金に加入できる法案もまとめた。選挙に出る際の供託金の減額も視野に入れる。

 当の町村議会は、議員との兼職制限の緩和や、議会活動のための休職や変則勤務、復職がしやすい環境整備を求めている。

 いずれにせよ、実態を見据えた法制度の見直しが要る。国が一律に決めるのではなく、自治体が地域の事情に合わせて選択できる仕組みとしてほしい。

 待遇面や立候補の要件もさることながら、なり手不足の根幹にあるのは、議会と住民との隔たりではないか。自分たちの声が議会審議に生かされ、行政に反映されているとの実感がなければ、住民総会に切り替えても、参加率の問題となって表れるだろう。

 県内で「町村議会改革シンポジウム」が始まっている。議会間の情報交換を密に、それぞれが住民を巻き込む形で、これからの合議制のあり方を探らなければならない。人口減少が続くなか、住民一人一人が地域で担う役割はますます重要になってくる。

(8月1日)

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