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ネオン街に生きる女性の一途な恋心を切々と歌い上げる。小林旭さんの「昔の名前で出ています」である。1975年に発売、じわじわと人気が広がり大ヒットする。当時、ゴルフ場開発に失敗しどん底に落ちていた小林さんを救った

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14億円にも上る借金を清算できたという。「地獄と天国を一気に体験した気分だった」と後に語っている。加計学園やPKO部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題などで支持率が急落し苦境に陥っている安倍晋三首相が放った一手は起死回生となるだろうか。内閣改造だ

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10年前の夏。参院選で惨敗した第1次安倍政権は内閣改造に踏み切った。1週間もたたずに農相が「政治とカネ」を巡る問題で辞任。このつまずきも大きく影響し首相退陣に追い込まれた。今回の改造は「絶対に失敗できない」との思いが強いのだろうか。ベテランをかき集めた

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19閣僚のうち初入閣は6人にとどまる。5人が留任し閣僚経験者が多い。以前務めたポストに返り咲いた閣僚もいる。清新さに欠ける顔触れは「昔の名前で出ています」の類いとやゆされよう。同じ人を重ねて起用するのは人材難の裏返しかもしれない

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首相がにわかに唱え始めた「人づくり革命」は新内閣でも看板政策のようだ。人づくりが喫緊の課題なのは政治の世界ではないか。人材の劣化は政治不信を強め民主主義の危機を招く。自分の内閣の行方ばかり心配している場合ではない。数々の疑惑が清算されていないこともお忘れなく。

(8月4日)

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