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南極観測に信州パワー 第59次隊に県内3人

南極観測隊に初参加する信大の加藤准教授(左)と、同行する予定の大学院生2人南極観測隊に初参加する信大の加藤准教授(左)と、同行する予定の大学院生2人
 政府の南極地域観測統合推進本部が今秋、南極の昭和基地に派遣する総勢約70人の第59次観測隊に県内から3人が参加する。研究や環境保全といった目的に向けてそれぞれ出発の準備を進めている。

 信州大理学部(松本市)准教授の加藤千尋さん(53)=松本市=は来年3月までの夏隊に初めて参加する。宇宙線物理が専門で、地球に飛来する宇宙線(放射線)を観測。将来、太陽の磁場で通信電波が乱される地磁気嵐を予測する「宇宙天気予報」の実現にもつなげたいと考えている。

 宇宙線観測機器を新たに南極に整備する。信大は現在、日本やブラジルなど世界4カ所に観測機器を設置。極域では中性子線など、既存の場所では捉えられない低エネルギーの宇宙線も観測できるといい、加藤准教授は「より多くの情報を得られるようにしたい」と話している。作業を手伝うため、大学院生2人も南極に同行する予定という。

 信大病院医療支援課副課長の岡江真一さん(49)=安曇野市=は2019年3月までの「越冬隊」に加わる。14年前に第45次観測隊として南極に行って以来2回目で、現地では廃棄物の管理などをし、環境保全をする役割を担う。

 前回は氷点下60度という寒さを経験し、「生きることの厳しさ」も味わったが、同時にオーロラなどの光景を見て感動し、再度行きたいと考えていた。経験者として、「隊員たちのいい潤滑油になりたい」と話す。7月から国立極地研究所で物資調達などの準備を本格化させている。

 参加4回目となる国立極地研究所の青山雄一助教(47)=上田市=は、夏隊の隊員に選ばれた。今回は昭和基地の半径100キロ圏内で重力や露岩の高さを測り、氷の増減など環境変動の研究につなげるという。「観測を安全に予定通り進めることが第一。研究データをしっかり取ってきたい」と話している。

 隊員らは11月下旬に日本を出発し、オーストラリアで南極観測船「しらせ」に乗り込んで昭和基地に向かう。

(8月5日)

長野県のニュース(8月5日)