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戦時下、信州の子どもは… お年寄りが「講座」で体験伝える

「(物事に)疑問を持ち、考える力を身に付けて」と呼び掛ける松本さん(右奥)の声に耳を傾ける親子ら「(物事に)疑問を持ち、考える力を身に付けて」と呼び掛ける松本さん(右奥)の声に耳を傾ける親子ら
 上田市城南公民館は5日、太平洋戦争や当時の子どもたちの暮らしを学ぶ講座「ボクたちが学ぶ戦争とうえだ」を初めて開いた。市内外の小学生や保護者ら十数人が参加。戦時下の上田小県地域の子どもたちが書いた文章や、同市内のお年寄りの戦争体験に触れ、当時に思いをはせた。

 上田小県近現代史研究会事務局長で、元教員の桂木恵さん(64)=上田市真田町傍陽(そえひ)=が講師を務めた。参加者は、戦時下に上小地域の村単位で発行した「時報」から抜粋した小学生の文章を交代で朗読。「兵隊さんへお金を送るために学校を挙げてイナゴ取りをした」「大好きなおじさんが戦死した。お国のために戦死したと思い諦める」といった内容もあった。同市南小5年の橋詰結衣さん(11)は「本当は悲しいのに、戦争のためにしょうがないと考えた。そんなにすごい戦いだったのか」と思いを巡らせた。

 戦争体験者2人が自身の経験を語った。東筑摩郡朝日村から16歳の時、満蒙開拓団に参加し、約3年間満州(現中国東北部)で過ごした真部潔さん(90)=上田市諏訪形=は「家は貧しく、お国のためになるなら捨て身で頑張る気だった」と応募の動機を振り返りつつ「夜は氷点下25度にもなり、寒さと食事の貧しさ、シラミに悩まされた」と回顧した。

 下水内郡豊田村(現中野市)出身で、旧制飯山中(現飯山高校)3年時に海軍飛行予科練習生(予科練)に志願した松本務(つとむ)さん(88)=同=は「憧れの予科練は殴る、蹴るの制裁で絶対服従の精神をつくる場。創造性や意見などは一切不要とされた」と語り、「皆さんは物事に疑問を持ったり、考えたりする力を身に付けて人生を送ってほしい」とメッセージを伝えた。

(8月6日)

長野県のニュース(8月6日)