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樹脂製品工場新設へ ニッキフロン

ニッキフロンが生産している半導体製造装置向けの樹脂製品。工場を新設して生産能力を高めるニッキフロンが生産している半導体製造装置向けの樹脂製品。工場を新設して生産能力を高める
 特殊樹脂開発・製造のニッキフロン(長野市)は、需要の伸長が期待される半導体製造装置向けの樹脂製品の生産工場を来春までに、本社敷地内に新設する。同社の国内での大掛かりな設備投資は2000年の滋賀県への工場新設以来。情報通信や自動車関連をはじめ、多くの産業で半導体の需要が高まると判断した。総事業費約4億円を投じて生産ラインの省人化などを進め、生産能力を引き上げる。

 同社は現在、長野市の本社にある機能樹脂事業部の工場で、半導体製造に必要な洗浄装置などに用いられるフッ素樹脂の一種、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)を成形、加工している。新たに、敷地内に鉄骨造り平屋約750平方メートルの「FactoryIPPM」を建設。粉末の樹脂原料を金型に入れ圧縮成形して高温で焼き固める前半の工程のうち、大型プレス機を使用する生産ラインを新工場に集約する。

 半導体関連業界は需要の変動の振り幅が大きく、数年周期の景気循環は「シリコンサイクル」と呼ばれる。同社は今後、スマートフォンなど情報通信市場の拡大やデータセンターの増設、自動運転技術の進展、あらゆる物をインターネットでつなぐIoTの進展により、半導体が幅広い分野で使われるようになり、製造装置の需要が拡大すると見込む。

 同社の半導体製造装置向けの16年度と17年4〜6月期の受注は、12〜15年度の平均受注額に比べて1・5倍と好調。現在は年間約500トンの樹脂を成形しており、新工場の稼働後は同じ人員態勢で600トンの生産が可能なライン構築を目指す。

 春日孝之社長は「全ての産業分野で半導体の需要が拡大し裾野が広がる」と強調。「工場新設は難しい決断だったが、より効率的な生産体制づくりを続けていく」と話している。

 同社の17年3月期の売上高は約61億円で、このうち特殊樹脂関連が27億円。今回の設備投資などで2020年までに全体の売上高を70億円に引き上げる目標を掲げる。

(8月8日)

長野県のニュース(8月8日)