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5件は「工事と関係なし」 北陸新幹線トンネルの地盤沈下

 北陸新幹線(長野経由)高丘トンネル(延長6・9キロ)建設に伴う中野市安源寺地区周辺の地盤沈下問題で、建設主体の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が、6月以降に寄せられた家屋や井戸の被害の訴え5件について、工事との因果関係がないと結論付けたことが7日、分かった。第三者の関与なく下した機構の判断に、専門家や住民からは疑問の声が上がっている。

 信濃毎日新聞が6月1日に地盤沈下問題を報道して以降、市や機構には家屋被害や井戸の減水の訴えが新たに5件寄せられた。機構の長野管理部(長野市)は7日の取材に、これまで「調査中」としていた家屋被害の訴え1件について「家屋とトンネルの距離などを踏まえて工事の影響はないと判断した」と説明。住民へも「工事の影響ではないことを説明し、了承を得た」とした。

 これら5件には含まれないが、かつて機構から家屋補償を受けた安源寺地区の住民は「家や井戸に異変を感じて訴えているのに、そこで機構から因果関係がないと言われて、住民は本当に納得しているのか」とする。

 大型公共事業などから環境を守る訴訟の原告側弁護団を担ってきた関島保雄弁護士(飯田市出身)は、機構の前身の日本鉄道建設公団が実施した環境影響評価(アセスメント)が「不十分だから沈下が起きたのではないか」と指摘。機構が自らの落ち度の有無を判断することを疑問視し、「県や市が第三者の専門家に調査をしてもらうのも一つの手段だ」と話した。

 市によると、高丘トンネル工事で発生した地盤沈下に伴い、機構は2015年3月までに、95戸189棟に家屋補償している。

(8月8日)

長野県のニュース(8月8日)