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オスプレイ 安全優先を行動で示せ

 「安全面の確保が大前提だ」。菅義偉官房長官はきのう記者会見で強調した。

 米軍の新型輸送機オスプレイの墜落を受けての発言である。言葉だけでなく、行動で政府の姿勢を示す必要がある。

 オーストラリア東部沖で5日に起きた事故だ。沖縄を拠点とする海兵隊の即応部隊に所属し、普天間飛行場に駐留するオスプレイが墜落した。乗っていた26人のうち隊員3人が行方不明になり、捜索活動が行われた。

 米側が状況を調査中で、原因はまだはっきりしない。米メディアは6日、米軍筋の話として、オスプレイが揚陸艦に近づいた際に甲板に接触して事故になったとの見方を報じている。

 政府は日本国内でのオスプレイの飛行を自粛するよう米側に申し入れた。情報提供や原因究明、再発防止の速やかな実施も求めている。小野寺五典防衛相は14日にも沖縄県を訪れ、翁長雄志知事に対応を説明したい考えだ。

 普天間の名護市辺野古への移設を巡って県との対立が続く中、事故への迅速な対処や沖縄への配慮をアピールしたいのだろう。河野太郎外相もフィリピンでティラーソン米国務長官と会談し、原因究明などを求めた。

 翁長氏は「起こるべくして起きた」と批判した上で「日本政府が当事者能力を持って(米側に)何も言えない」ことが今の状況につながっているとした。政府への不信感や憤りはもっともだ。

 昨年12月に名護市の浅瀬で大破した際、政府は安全が確認されるまでの飛行停止を要請し、米軍は一時停止した。しかし、詳しい原因が分からないまま、わずか6日後に再開された経緯がある。政府は米軍の方針を「理解できる」と容認していた。

 今回の政府の自粛要請もポーズに終わりかねない。既に普天間からの離陸が確認された。沖縄防衛局は飛行自粛を要請した際、在沖縄米軍トップが「安全性の確認はしっかりしている」と話したことを明らかにしている。

 小野寺氏は「しっかりとした説明があるまでは求めていく」と述べていた。米側に強く自粛を迫らなくてはならない。

 10日から北海道で陸上自衛隊と海兵隊の共同訓練が行われる。政府はオスプレイの参加について米側と調整中だ。菅氏は米側からの情報提供を踏まえ「しかるべく検討する」としている。飛行自粛を求めながら参加を認めては筋が通らない。不参加にすべきである。

(8月8日)

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