長野県のニュース

ハンドベル「8年物」の音色 飯田の企業、力作を初披露

完成したハンドベルを鳴らす花井精機の女性社員ら完成したハンドベルを鳴らす花井精機の女性社員ら
 飯田市の精密部品加工会社花井精機(社員12人)が、米国の2社で世界シェアの大半を占める楽器「ハンドベル」の製造に挑戦し、7日、飯田市役所で完成品を初披露した。製造には高い技術力が必要といい、飯田下伊那地域の鋳造会社や革製品メーカーなど約30の企業・団体の協力を得て、約8年がかりで完成にこぎ着けた力作。女性社員らが早速試奏し、「天使のハーモニー」とも呼ばれる美しい音色を響かせた。

 ベルの部分はブロンズ(銅とスズの合金)製で、鋳造した原型を少しずつ削って仕上げる。周波数が複数のオクターブに及ぶ「倍音」が鳴るように削るのが難しいといい、コンピューターによるシミュレーションも活用。ハンドル部分は芯にアルミを使い、ピアノの鍵盤の色に対応した白と黒の本革を巻いた。

 同社は血液検査装置など医療機器の部品製造が主力。旋盤で金属を加工する社内教育の一環でベルを製造したところ、展示会で商品化を求める声が寄せられたのが開発のきっかけだ。全社員が開発に関わり、月ごとの全体ミーティングは八十数回に及んだという。飯伊地域の精密機械企業などでつくる「ネスク・イイダ」が後押しし、会員企業などと結び付けた。

 日本ハンドベル連盟や花井精機によると、ハンドベル市場は米国のマルマークとシューマリックの2社がほぼ独占。日本国内には千近い演奏チームがあり、大手楽器メーカーが参入を試みたが採算面などで断念したという。社長の花井孝文さん(52)は「2社の音色に近い設定で作っているが、違う音色にもコントロールできる」と話す。

 10月1日の販売開始予定で、価格は1オクターブ分(13個セット)で100万円前後を見込んでいる。

(8月8日)

長野県のニュース(8月8日)