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中野市、第三者調査検討 新幹線トンネル工事 地盤沈下問題

 北陸新幹線(長野経由)高丘トンネル(延長6・9キロ)建設に伴う中野市安源寺地区周辺の地盤沈下問題で、中野市が8日、第三者の専門家による現地の状況調査の検討に乗り出した。市はこの日、県に相談を持ち掛けており、県も対応を検討している。

 建設主体の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構はこれまで、一帯の沈下量をはじめとする被害の全容を明らかにしていない。

 一方で、安源寺地区の地表面が最大14センチ沈んでいたことを示す文書の存在が信濃毎日新聞の取材で判明。同機構の元飯山鉄道建設所長が2008年にまとめた論文だが、機構は地盤沈下の詳細なデータについて「施工管理のために計測したもの」(長野管理部)として県や市、地元にも伝えていない。

 横田清一副市長は取材に、「地盤沈下の状況を把握し、住民の皆さんが抱いている不安を取り除くため」と説明。他の自治体の第三者委員会などの事例を調べた上で「どういうことができるか検討したい」と述べた。市から相談を受けた県道路建設課は「内容を確認して、相談に返答したい」と話した。

 安源寺地区付近の高丘トンネルは、同機構が01年3月〜07年3月に整備。工事に伴い地盤沈下が発生し、市によると、機構は15年3月までに95戸189棟に家屋補償した。しかし複数の住民が取材に対し「今も影響は続いている」と訴えている。

 本紙が今年6月に地盤沈下問題を報道後、市には家屋被害と井戸の減水の訴え5件が寄せられた。同機構は現場を訪ねて調査。トンネルからの距離や被害の発生時期などからいずれも工事との因果関係はないと結論付けた。長野管理部は「住民には十分説明して了解を得ている」とする。

 大型公共事業などから環境を守る訴訟の原告側弁護団を担ってきた関島保雄弁護士(飯田市出身)は第三者による調査について「地質や水文学の学者や専門家に協力してもらうには、県の支援が必要だ」と指摘している。

(8月9日)

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