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森林税継続 高いハードル 県税制研究会の報告書原案

知事への報告書の原案について意見を交わした県地方税制研究会=9日、県庁知事への報告書の原案について意見を交わした県地方税制研究会=9日、県庁
 来年3月末に2期目の課税期間を終える「森林づくり県民税(森林税)」の在り方を議論している有識者の県地方税制研究会は9日、県庁で開き、青木宗明座長(神奈川大教授)が2期目の問題点や3期目へ継続する場合の「前提条件」をまとめた阿部守一知事への報告書原案を示した。3期目の具体的な事業内容や財源規模が示されていないとして、継続の是非については「判断ができる状況にはない」とした。

 青木座長はこれまでの研究会の議論を集約し、継続する場合の注意点や克服すべき問題点として、昨年度末で4億9千万円の基金残高(使われずにたまった森林税の額)の解消や県民への十分な説明など6項目を提示。「問題点の克服と改善策が、3期目に継続する場合の前提条件となる」と説明した。

 2期目継続の議論の際、切った木を山に放置する「切り捨て間伐」から、木材の間伐と搬出を一体的に行う「搬出間伐」にシフトすることが条件だったことに触れ、「今度こそ間違いなく、履行されなければならない」と指摘。基金残高の解消については「情報をすべて開示した上で慎重に検討し、県民に対して十分に説明して納得を得られなければならない」とした。

 森林税を財源に、市町村に自由度の高い形で予算配分する「森林づくり推進支援金」(単年度で総額約1億3千万円)に関して県はこれまで、補助事業に変更することで県の責任を明確化すると説明してきたが、原案では大幅な縮減もしくは廃止の方向性を示した。

 県民税に1人当たり年500円を上乗せしている税額については、三井哲委員(長野経済研究所常務理事)が「事業資金の必要性をしっかりと算定した上で、税額を設定すべきだ」と指摘。ほかの委員からも税額について検討すべきだという意見が上がった。青木座長は終了後の取材に、「(継続する場合)県民には今後5年間の事業を示した上での十分な説明が必要」と強調した。次回8月30日の会合で報告書をまとめ、阿部知事に提出する。

(8月10日)

長野県のニュース(8月10日)