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焼岳で小規模噴気 噴火警戒レベルは1を維持

9日夜から西側の山腹で白い噴気が確認された北アルプス焼岳。頂上には登山者の姿もあった=10日午前11時26分、本社チャーターヘリから9日夜から西側の山腹で白い噴気が確認された北アルプス焼岳。頂上には登山者の姿もあった=10日午前11時26分、本社チャーターヘリから
 気象庁は10日、長野・岐阜両県にまたがる北アルプスの焼岳(2455メートル)で、9日午後11時50分ごろから10日午前2時ごろにかけて小規模な噴気を確認したと発表した。噴気は白色で水蒸気とみられ、火山灰などの固形物を伴う噴火ではない。噴気は10日午前3時以降確認されず、噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)を維持するが、再び発生する可能性や火山ガス噴出の恐れもあるとして、注意を呼び掛けている。

 同庁火山課によると、噴気を確認したのは山頂から西側約400メートル付近の岐阜県側山腹。焼岳の北北西約5キロにある監視カメラで確認し、山頂近くの観測点では同時間帯に空振を伴う地震を6回観測した。噴気は10日午前0時48分に約100メートルまで上がって東へ流れていたが、その後、弱まったという。

 空振を伴う地震の観測は、焼岳で常時観測を始めた2011年以降は初。焼岳は噴気を常時出している噴気孔が山頂周辺に4カ所あるが、今回は近年出ていなかった場所という。

 同課は、火山灰の噴出や、山側がせり上がるなど地下のマグマの動きを示す地殻変動が観測されていないと説明し、「今後すぐに活動が活発化するとは考えにくいが、注意してほしい」としている。

 詳細な調査をするため、気象庁は10日午前、火山機動観測班を現地へ派遣した。

 一方、松本市はホームページに「異変を感じたときは、速やかに避難してください」と掲載し、エリアメールでも住民に伝えた。午前9時10分ごろからは、上高地の焼岳登山口などに職員を派遣し看板も立てて登山者に注意を呼び掛けた。外国人登山客のため英語の看板も設置する。

 市によると、現時点で入山規制は予定していない。

 焼岳の観測をしている京都大防災研究所地震予知研究センター上宝観測所(岐阜県高山市)の所長、大見士朗准教授=観測地震学、観測火山学=によると、焼岳一帯の観測点では9日午後9時ごろから地震の数が増え始めたが、10日午前3時以降は減った。地下の急激な温度上昇なども確認されていない。大見准教授は「噴石が飛ぶなど、すぐに噴火が起きるということは無いと思うが、注意はしないといけないだろう」と話している。

(8月10日)

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