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〈今忙しい?〉。後輩から筆者に無料通信アプリ「LINE」(ライン)のメッセージが届いた。本人の顔写真付きだが、もの言いが変だ。送り間違えではと返信すると、〈間違いじゃないよ。頼みたいことがある〉と、また友達言葉

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別の携帯で本人に電話し、送信していないことを確認。だまされたふりを続ける。「頼み」は、コンビニで3万円分のプリペイドカードを2枚買ってくること。〈それをどうする?〉〈裏面のIDを写真に撮って送って〉。拒否すると、返信は途絶えた

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後輩によると、フェイスブックに友人をかたり、携帯電話が壊れたとのメッセージがあった。信じ込んで自分の番号などを教えると、LINEの利用者アカウントが乗っ取られたという。調べてみると、同様の手口での詐欺被害は3年前から急増、80万円詐取されたケースもある

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息子などに成り済ますオレオレ詐欺と違い若い人の被害が多いのはLINEならではだ。登録した「友だち」の中でも「イツメン」(いつも一緒のメンバー)の頼みなら断りにくい。仲間外れになりたくない。そういう心理を犯人は突いているのだろう

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社会学者の土井隆義さんは、LINEなどに依存した問題を「つながり過剰症候群」と呼ぶ。送信してきた相手に「既読」が伝わるので、すぐ返信しないと無視したと思われてしまう。「常時接続化」が進む―。立ち止まって考える余地がなくなれば、詐欺師にとっては好都合な隙となる。

(8月13日)

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