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全国「2人態勢」37%どまり 県防災ヘリ墜落受け消防庁調査

 今年3月の県消防防災ヘリコプター墜落事故を受け、総務省消防庁が防災ヘリを運用する自治体など全国54団体に実施した安全対策に関する調査で、機長席と副操縦席にパイロットが搭乗する「2人態勢」を導入しているのは20団体(37%)にとどまっていることが23日、分かった。長野県は運航再開を目指すヘリに2人態勢を導入する方針だが、全国ではパイロット不足などから消極的な団体も目立つ現状が明らかになった。

 東京都内で同日に開いた防災ヘリの安全対策を議論する同庁の検討会で、事務局が報告した。今後、未導入団体に2人態勢の必要性について理解を促す対応を検討する。

 調査は4〜6月、アンケートや聞き取りで実施。2人態勢は、機長の操縦ミスや体調不良への対応ができ、障害物や計器類を複数で確認できる安全対策になる。副操縦席に座るパイロットの訓練、養成にもつながる。長野県の防災ヘリが事故時、2人態勢でなかったこともあり、今回の調査項目とした。

 機長席に1人が座る「1人態勢」を採用しているのは34団体(63%)で、2人態勢は20団体(37%)。1人態勢の団体に「2人態勢は必要と考えているか」と聞いたところ、12団体(35%)が「必要」とし、22団体(65%)が「必要ない」だった。

 「必要」とした12団体のうち、導入を「検討している」が8団体(67%)。「検討していない」が4団体(33%)だった。

 消防庁広域応援室は、2人態勢が広がっていないことについて「運航を委託している民間航空会社のパイロット不足や、運航団体の財源不足が理由になっている」と説明する。

 ただ、警察庁は、長野県の防災ヘリ事故を受け、ヘリを運用する警視庁、道府県警に対し「原則」としていた2人態勢を徹底するよう指示。消防庁の検討会は「不要と考えている団体の導入を促す対応を考えたい」とする。

 長野県防災ヘリは運航開始の1997年から今年3月の事故発生まで1人態勢だった。県は来春再開する民間航空会社との共同運航で、民間が派遣する経験豊かなパイロットが機長席に、県在籍で訓練中のパイロット2人が交代で副操縦席に乗る2人態勢を導入する。

 検討会では、防災ヘリは安全対策が運航団体に委ねられ、事故が相次いだことを踏まえ、全国一律の安全基準をつくる必要がある―との声が出た。

(8月24日)

長野県のニュース(8月24日)