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県内農協不祥事 5年で18件 12~16年度 5件は非公表

県が公開した県内農協の不祥事に関する文書。農協名や職員の役職、動機など多くの情報が黒塗りされている県が公開した県内農協の不祥事に関する文書。農協名や職員の役職、動機など多くの情報が黒塗りされている
 県内の農協で2016年度までの5年間に、横領や背任といった不祥事が少なくとも18件に上り、このうち5件については農協側が公表していないことが24日、農協を監督する県に対して信濃毎日新聞が行った情報公開請求で分かった。未公表分には、車の買い取りに絡み2千万円近くの損失を生じさせた背任行為や、利用者に無断の共済の契約などがあった。

 23日にはみなみ信州農協(飯田市)の子会社で、社員による計1679万円余の着服が明らかになったばかり。情報公開により、県内の農協のコンプライアンス(法令順守)や情報公開の意識の低さが改めて浮き彫りになった。

 県は農協法に基づき、農協に対して不祥事の報告をさせている。ただ県側は「公表すると農協の不利益になる可能性がある」とし、不祥事があった農協の名称や当事者の役職、不祥事の動機、処分状況などの情報を黒塗りにして開示していない。

 未公表分で被害額が大きかったのは、自動車販売を手掛ける農協の子会社で12〜14年にかけてあった背任行為。車を下取りした際、社員が必要以上に高額で買い取り、計1948万円の損失を与えた。社員は、損失を穴埋めするために他の売上金を充て、問題が発覚しないよう会計上の操作をしていた。

 未公表分には他に、15年7〜8月、農協の職員が利用者に無断で約35万円分の共済の契約書類を作成し、契約者の口座から共済掛け金を振り替えるなどした例、12年に農協の職員が実在しない契約者の名前を使って架空の終身共済契約を作成した例など。177万円余の小切手の紛失、制度資金の利子補給金の未払いもあった。

 未公表分以外は、農協側の公表や報道によって明らかになっており、グリーン長野農協職員による定期貯金の着服(被害額2千万円)、佐久浅間農協職員による着服(同約4700万円)などがあった。県農業政策課は重大な不祥事については業務改善命令を出したと説明。不祥事を公表するかどうかは、各農協の判断に委ねられているとしている。

 長野県を含め全国で不祥事が続いているのを受け、全国農業協同組合中央会は近年の事業計画で「不祥事ゼロ運動」を掲げている。

(8月25日)

長野県のニュース(8月25日)