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保健所 共同設置見送り 県と長野市

 長野市内にある県長野保健所と長野市保健所を統合し、共同設置を検討していた県と同市は25日、「現時点で解決が難しい課題が複数ある」とし、見送ることを決めた。当初見込んだほど業務や設備の効率化が進まない上、県と市それぞれが手掛ける事業の統合が難しいと判断。各保健所が現状維持で業務を続ける。

 長野市は1999年の中核市移行に伴い県内19市で唯一、保健所を設置し、市全域(約37万人)を管轄。県長野保健所は長野市周辺の8市町村(約16万人)を管轄している。

 保健所の共同設置は2011年の法改正で可能になった。人材や業務の効率化、窓口一本化で住民に分かりやすくなるなどの利点があるとされ、県と市は検討会議を作り15年11月から協議してきた。

 検討会議は25日、長野市内で開いた会合で、共同設置見送りの方針を県長野保健所管轄の8市町村に示し、了承を得た。

 県と市は課題として、どちらかの保健所に施設を統合しても、増改築に5億〜10億円が必要と試算。県で44人、市で77人いる職員も「業務量そのものは減らず、職員数はほぼ減らせない」などとした。

 また、県による精神保健、市による母子保健といった業務は、共同設置した保健所からは切り離し、県と市それぞれが行わなければならない―と説明。一体的運営で双方の職員が新たな技術を身に付けられると見込んだ利点が薄れ、市にとっては現在の保健所の役割が後退する可能性があるとした。

 県と市は今後、人材交流、職員の養成や確保などで連携することで合意。共同設置で得られると見通していた、技術向上、医師ら専門職の確保といった要素を補うとした。一方で、人口減少を見据え、人材や施設を集約する必要性は高い―とし、県側は、将来的な共同設置の検討再開に含みを残した。

(8月26日)

長野県のニュース(8月26日)