長野県のニュース

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新器械発明せられ暑寒を調和するために適宜の空気を送り出すことを得べし―。1901(明治34)年の報知新聞「二十世紀の予言」の一つである。エアコンの発明を見事、言い当てた。無線電話や車社会などもあり、先見の明に驚く

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さて現代の未来予想はどうだろう。「マグニチュード(M)7以上の地震の発生時期(1年以内)、規模、発生地域、被害の予測技術」が2030年に実現する―。文部科学省が約5年ごとに行っている科学技術予測で15年に公表された10回目の結果だ

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残念ながら、うのみにはできない。1971年の1回目の調査では「1カ月程度以内の地震(M6以上)発生の有無を府県程度の範囲で予知できる技術」が90年代半ばに確立すると予測されていた。その後、実現の時期の先送りが繰り返されている。地震予知の難しさを実感する

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南海トラフ巨大地震の対策を話し合う中央防災会議の有識者会議が、地震予知を前提とした対応の見直しを国に求めた。現在の科学では、地震の正確な予測は困難との見方からだ。技術予測調査の結果を見ても当然の流れだろう。研究が進めば予知は可能との楽観的な未来は描きにくい

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冒頭の予言には「暴風を防ぐ」との項目があり、地震についても触れている。揺れは免れないけれど、家屋や道路は、その害を免れるものになっている―と見立てた。地震に強い社会をどうつくるか。こちらは100年余りを経てなお重くなる課題である。

(8月28日)

長野県のニュース(8月28日)