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日本取り巻く国際社会の状況は 須坂で信州岩波講座

第19回信州岩波講座で対談する加藤典洋さん(右)と内田樹さん第19回信州岩波講座で対談する加藤典洋さん(右)と内田樹さん
 第19回信州岩波講座の本年度2回目の講座が27日、須坂市メセナホールであり、文芸評論家の加藤典洋さん(69)と、神戸女学院大名誉教授の内田樹さん(66)が、日本を取り巻く現代の国際社会の状況についてそれぞれ講演した。講演後、来場者の質問に答えながら対談した。

 加藤さんは「どんなことが起こってもこれだけは本当だ、ということ―激動の世界と私たち」と題し、憲法改正を巡る視点などを語った。「護憲論」が骨格とした自衛隊の解体が「現実性を持っていない」とする一方、「戦争は駄目だ」との考えは重要とし、護憲論は変わる力が問われていると指摘した。

 内田さんの講演の題は「『帝国』化する世界・『中世』化する世界」。現代は「国民国家という基本単位」では解決が困難な課題が起きているとし、「別の政治単位を持ってこないと制御できない」と述べた。米国の現状を、自国第一主義を掲げる大統領を選んだことで「国際社会に対する指南力を失った」とした。

 対談では、日米地位協定の不平等性が取り上げられ、加藤さんは「議論にならないことが当然、というところまできている。全て沖縄が背負っている」と指摘。内田さんは「不平等条約はないとする国家的な自己欺瞞(ぎまん)がある。基地問題は沖縄まで行かないと分からなくなっている」とした。

 講座は須坂市や岩波書店、信濃毎日新聞社、NPO法人ふおらむ集団999などでつくる実行委員会が主催。約600人が聴講した。

(8月28日)

長野県のニュース(8月28日)