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県内リニア 発破掘削開始 大鹿の作業用トンネル

県内のリニア本体工事で初めて発破作業に入った小渋川非常口=29日午前10時、大鹿村上蔵地区県内のリニア本体工事で初めて発破作業に入った小渋川非常口=29日午前10時、大鹿村上蔵地区
 JR東海は29日、下伊那郡大鹿村のリニア中央新幹線の作業用トンネルで火薬を使った発破による掘削を始めた。県内のリニア本体工事では初めての発破作業。場所は南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)を掘り進める三つの坑口のうち、「小渋川非常口」(上蔵地区)の作業用トンネルで、これまでに30メートルほど重機で掘り進めていた。

 南アトンネルは、山岳トンネルで一般的な「NATM(ナトム)」と呼ばれる工法を採用。火薬による発破などで掘削した所にコンクリートを吹き付け、長いボルトを打ち込むなどして固め、トンネルと地山を一体化させながら工事を進める。県内のトンネルの大部分はこの工法で工事が進む見通しだ。

 発破は、同非常口に設置した厚さ約30センチの防音扉を閉めて行われる。この日は午前10時に発破実施を知らせるサイレンが鳴った後、重低音の爆発音が数秒間響いた。非常口の作業場の外に設置された騒音と振動を測る計器の数値に大きな変化はなかった。

 上蔵地区に住む女性は「『ドワーン』と響くような音だった。思ったよりは大きな音じゃなく、振動もなかった」と話した。JR東海によると、非常口から700メートルほど離れた集落内の計器では、騒音が最大52デシベル、振動が同27デシベルで、平常時と比べて大きな変化はなかったという。

 開通までに掘るのは、リニアが実際に走る本坑と、地質を確かめるなどの目的で本坑と平行して先に掘り進める先進坑、地表の坑口から本坑や先進坑までをつなぐ作業用トンネルの主に3種類。小渋川非常口は今後、基本的に発破での掘削が続き、作業用トンネルを掘り終えた後、来年前半に先進坑の掘削に入る計画。本坑の着手時期は未定。

 長野工区の残り二つの坑口は山間の釜沢地区にあり、発破は始まっていない。集落に近い渓谷で工事するため、騒音や振動を住民が懸念している。

(8月30日)

長野県のニュース(8月30日)