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森林税継続 6条件提示 県税制研究会

森林税を継続する場合の前提条件を付けた報告書案をまとめた県地方税制研究会=30日、県庁森林税を継続する場合の前提条件を付けた報告書案をまとめた県地方税制研究会=30日、県庁
 来年3月末に2期目の課税期間を終える「森林づくり県民税(森林税)」の在り方を議論している有識者の県地方税制研究会は30日、県庁で開き、3期目へ継続する場合の前提条件を付けた阿部守一知事への報告書案をまとめた。前提条件は、市町村に自由度の高い形で予算配分する「森林づくり推進支援金」の廃止・縮小など6項目。3期目の具体的な事業内容や必要な財源規模が示されていないとして、税の継続の是非は「判断ができる状況にはない」と明記した。

 報告書案は、9日の前回会合で青木宗明座長(神奈川大教授)が示した原案に沿った内容。青木座長が30日の議論を踏まえて修正し、知事宛てに近く提出する。

 報告書案は、市町村に毎年度、約1億3千万円を配分している同支援金について「市町村で必要な里山整備の財源は基本的に市町村が超過課税で対応するべきだ」と指摘。継続する場合は規模を縮小し、使途を限定する補助事業とするなどを求めた。

 前提条件ではほかに、切った木を山に放置する「切り捨て間伐」から木材の間伐と搬出を一体的に行う「搬出間伐」への重点シフトが2期目継続の前提条件でありながら「十分に実現されなかった」と指摘。確実な実施を求めた。

 昨年度末で4億9千万円の基金残高(使われずにたまった森林税の額)の合理的な解消を求め、県民税に1人当たり年500円を上乗せしている税額の引き下げも一つの方向性とした。森林税の議論は継続ありきではなく、超過課税する必要性をゼロベースで詳細に検討して県民に説明するよう求めたほか、税の透明性を確保し、情報公開度を高めることも前提条件とした。

 支援金の廃止・縮小は、専門部会を含む委員8人のうち、水本正俊委員(県経営者協会専務理事)が「各市町村がきめ細かく事業に取り組んでいる」と反対意見を述べ、堀越倫世委員(税理士)も反対した。

 前提条件とは別に、国が森林整備の財源とするために創設を目指している「森林環境税」とのすみ分けも検討が必要と指摘した。

 青木座長は取材に「継続の是非の判断に踏み込めなかったのは残念だが、(継続する場合の)注意点を出しておくことも研究会の任務」と説明。小林透総務部長は取材に「報告書の中身を十分に精査し、方向性を定めていきたい」とした。

(8月31日)

長野県のニュース(8月31日)