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ノンフィクション作家の保阪正康さんは著書「昭和史のかたち」で昭和の事象を図形で読み解いた。戦時下のファシズムに当てはめたのは正方形だ。報道統制などによる情報の一元化、教育の国家主義化、弾圧立法、官民挙げての暴力―

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その4辺の枠に国民を押し込める。しかも独裁を目指す政治勢力は正方形をより狭めようとすると述べている。神戸の私立灘中学校の校長を務める和田孫博さんは、ネット上で公表した文章「謂(いわ)れのない圧力の中で」に保阪さんのこの例えを引いた

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灘中が使う「学び舎(しゃ)」の歴史教科書は中学の教科書では唯一、慰安婦について記述している。自民党の県議や衆院議員から、なぜ採用したのかと問い合わせがあったほか、同じ文面の抗議はがきが大量に届いたという。「反日極左」の教科書だとして採用の即刻中止を求める内容だった

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検定に合格した教科書を学校が自主的に選んだ手続きに問題はない。政治家の干渉や執拗(しつよう)な抗議によって特定の考えを押しつけることは、教育の独立性を損なう不当な圧力である。正方形の1辺である教育の国家主義化と呼応する不気味さも感じる

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教育勅語を教材として使うことさえ政府は認めた。残る3辺も危うい。安倍政権下、報道への介入、干渉は相次ぐ。共謀罪法は市民弾圧の強力な武器になる。〈「正方形」は間もなく完成する、いやひょっとすると既に完成しているのかもしれない〉―。和田さんの言葉が大げさには思えない。

(9月4日)

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