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北朝鮮核実験 破局招かぬ道を探れ

 北朝鮮が6回目の核実験を強行した。朝鮮半島情勢をさらに緊迫化させ、地域と世界の安定を損なう看過できない行為である。

 昨年9月の5回目から1年の短い間隔で実施した。2年続けての核実験は初めてだ。爆発規模は過去最大とみられる。実験による揺れの規模はマグニチュード(M)6・1と推定され、これまでより少なくとも10倍程度は大きいという。

 北朝鮮の国営テレビは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載する水爆の実験を行い、成功したと伝えた。核兵器の開発がさらに進んだ可能性もある。

 日本の上空を通過した中距離弾道ミサイルの発射から1週間とたっていない。7月には2度にわたってICBMを発射している。国際社会の強い非難にもかかわらず、核・ミサイル開発に突き進む姿勢は一層あらわだ。

 国連安全保障理事会は8月上旬、新たな制裁決議を採択したが、圧力を強めるほど態度を硬化させているように映る。事態打開の糸口は見えていない。

 どうすれば北朝鮮の変化を促せるのか。状況が困難だからこそ、関係国が足並みをそろえることが欠かせないだろう。北朝鮮の核問題を話し合う6カ国協議に加わってきた日米韓中ロの5カ国が意見の隔たりを埋め、協調して対処する必要がある。

 米国のトランプ大統領は武力行使も排除しない姿勢をかねて示している。安倍晋三首相は米国や韓国などと連携して「断固たる対応を取る」と述べ、圧力を強める考えをあらためて強調した。

 中国とロシアは核・ミサイル開発を批判する一方で、米国による軍事的な対抗措置に反対し、対話を通じた解決を主張してきた。中国は米朝協議が必要だとし、中国に影響力の行使を求める米国とかみ合っていない。

 軍事的な圧力の強化は、偶発的な衝突につながる恐れもある。米朝の軍事衝突が起きれば、米軍基地がある日本や韓国に戦火が及ぶのは必至だ。破局的な結果を招きかねない。

 武力に頼るのは危うすぎる。軍事衝突は何としても避けなければならない。政治的に解決する以外、道はないことは明らかだ。

 制裁のさらなる強化も、追い詰めすぎれば暴発する懸念がある。圧力一辺倒でどうなるものでもない。核放棄に応じるとは考えにくいとしても、交渉の回路を開いて真意を見極め、かたくなな態度を解いていくほかはない。

(9月4日)

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