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7000㍍峰未踏壁 登頂成功 富士見出身の平出さん

未踏の北東壁から挑んだシスパーレ登頂を振り返る平出さん=4日、山梨県北杜市未踏の北東壁から挑んだシスパーレ登頂を振り返る平出さん=4日、山梨県北杜市
 諏訪郡富士見町出身の登山家、平出和也さん(38)=横浜市=が先月、パキスタン北部のシスパーレ(7611メートル)の未踏の北東壁からの登頂に成功した。挑戦4度目での悲願達成。平出さんは4日、実家近くの山梨県北杜市で信濃毎日新聞の取材に応じ、「未踏ルートへの挑戦を続ける自分の登山の原点になった山。何度もあきらめかけたが成功できた」と喜びを語った。

 神奈川県内の登山仲間の男性と計画し、7月17日に日本を出発。標高約4千メートルにベースキャンプ(BC)を設け、8月18日に登り始めた。

 北東壁は平均斜度50度から60度の岩と雪の斜面が続き、崩落の危険性が高いセラック(氷塔)がいくつも現れた。毎日のように午後からは吹雪となり、雪崩の危険性もあったという。「安全なルートを見つけながら、毎日ほとんど休憩もなく12時間行動した。緊張の連続だった」と振り返った。22日に登頂に成功。24日にBCに戻った。

 平出さんによると、シスパーレは東側の尾根からは海外と日本国内の登山隊の2隊が登頂しているが、北東壁からの登頂はなかった。平出さんは2007年から13年にかけて、北東壁などの未踏ルートから計3回登頂に挑んだが、悪天候などによって途中で断念していた。

 13年は、世界の優れた登山家に贈られる「ピオレドール賞」を09年に日本人として初めて一緒に受賞した故谷口けいさん=15年に北海道で遭難死=と共に挑んだ。平出さんは「一時は登ることをあきらめかけていたが、遭難死した仲間の思いを背負って登った」と語る。

 平出さんはこれまでの登山などが評価され、今年2月に植村直己冒険賞(兵庫県豊岡市主催)に選ばれた。今月下旬、兵庫県豊岡市で開かれる授賞式で、今回の登山についても報告する。

(9月5日)

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