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自死遺族グループ「やまなみ」が8年 長野で9日に全国フォーラム

◎オーストラリアで自死遺族支援の国際会議に参加した前島さん(中央)=3月◎オーストラリアで自死遺族支援の国際会議に参加した前島さん(中央)=3月
 家族を自死で失った県内の遺族でつくる自助グループ「やまなみ」が2009年の発足から8年を迎えた。同じ悲しみを抱える遺族が顔を合わせて語り合う「分かち合い」の集いを続け、絆を深めてきた。活動が定着してきた中で9日、長野市で全国の遺族が集う第10回「全国自死遺族フォーラム」が初めて開かれることになり、やまなみのメンバーも「さらに遺族の結び付きが広がれば」と期待している。

 やまなみ世話人の前島常郎さん(64)=長野市=は、日頃の活動を通し「同じ痛みを味わった者が助け合うことが力になった」と感じてきた。今年3月には、全国自死遺族連絡会の代表者ら4人とオーストラリア・シドニーを訪れ、海外の自死遺族支援を学ぶ国際会議に参加。国が違っても遺族が抱える悲しみは重なるとの思いを強くした。

 前島さんは09年に28歳だった娘に自死で先立たれた。悲しみにどう向き合ったらいいか苦しむ日々が続き、「同じ体験をした人でなければ、この悲しみは話せない」と考えた。当事者で集まれる場を求め、同年に他の遺族と「やまなみ」を立ち上げた。

 「分かち合い」は2カ月に一度、長野、松本市で交互に開催。思いを受け止めてもらえる場を求めて毎回10人ほど集う。初めは泣くしかできない人もいるが、目の前に同じ経験者がいることで「自分一人だけではない、生きていけるかもしれない、そんな希望を与えてくれる」と前島さん。

 09年に27歳の息子を自死で亡くした世話人の中山武男さん(73)=安曇野市=も「やまなみの活動に、どれだけ助けられたか分からない」。月日が経っても悲しみは残るが、仲間との出会いに心の安らぎを見いだしてきた。

 前島さんはやまなみの活動を通じ、各地の遺族との交流も拡大。全国自死遺族連絡会が開く全国フォーラムも毎年のように参加し、昨年、今年のフォーラムについて長野県内での開催を提案した。

 長野市でのフォーラムでは、前島さんが3月の国際会議の参加について報告する。国際会議では、イラク帰還兵の夫を自死で失った米国人女性が、愛する人の死に方だけに目を向けるのではなく、「一緒に生きた人生の喜び」を思い出すように呼び掛けたのが強く印象に残ったという。

 前島さん、中山さんはともに、全国フォーラムが「新しい出会いの機会を与えてくれるのでは」と期待する。

 全国自死遺族フォーラムは、民間団体の全国自死遺族連絡会が遺族同士の連携を深めようと08年から毎年開催。第10回の今年は9日午後1時半から、長野市のJA長野県ビルで開く。第1部は上智大の岡知史教授が「自助グループの定義とわかちあい」と題して講演。第2部は「いじめの自死遺族は訴える」として宮城、山形県で子どもを自死で亡くした親が報告する。参加費無料。

(9月6日)

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