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広葉樹の供給不足判明 県など連携のF・パワー製材工場

征矢野建材の担当者(左)の説明を受け、木材加工の工程を視察する県議たち=5日、塩尻市征矢野建材の担当者(左)の説明を受け、木材加工の工程を視察する県議たち=5日、塩尻市
 県や塩尻市、民間が連携して林業再生を目指す「信州F・パワープロジェクト」で、同市に整備された大規模製材工場に、主力の素材としてアカマツと並んで想定していたミズナラなどの広葉樹が、計画を大きく下回る量しか供給されていないことが5日、分かった。見込んでいたほど伐採木が出ていないことが理由という。工場では現在、需要に結び付いていないアカマツの受け入れを停止しており、木材加工事業が軌道に乗っていない現状が一層、浮き彫りになった。

 同日、県会会派の信州・新風・みらいが工場を視察。県と木材加工事業を担う征矢野建材(松本市)が説明した。

 プロジェクトの木材加工事業は、これまで積極的に利用されてこなかったアカマツや広葉樹を主体に、年間約10万立方メートルの原木を製材などに活用する計画。端材などを使った木質バイオマス(生物資源)発電事業と合わせ、森林整備と木材利用のサイクル構築を図る狙いで始まった。

 同社によると、工場の稼働(2015年4月)前の2014年12月から稼働後の15年11月までの広葉樹の受け入れは、2千立方メートル超の計画だった。しかし、実際の受け入れは数百立方メートルにとどまったという。

 同社の担当者は「実際には(想定より)入ってこない」と説明。県森林組合連合会など県内4団体でつくる原木の需給調整組織「サプライチェーンセンター」で調整役を担う県林務部県産材利用推進室の丸山勝規室長は「(木を伐採して森林を更新する)更新伐の事業地から広葉樹も(産出される)と考えたが、出てきていない」と供給不足の現状を認めた。

 同社によると、製材工場は現在、県産のカラマツやヒノキ、在庫分のアカマツなどの製材加工を実施。担当者は、製材の量から見ても「本格稼働しているとは言えない」とし、具体的な収支は示さなかったものの、経営は現状で赤字だ―と説明した。

(9月6日)

長野県のニュース(9月6日)