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校舎に感謝、思いつなぐ 上田・浦里小火災から5年

木造校舎の壁や床を丁寧に雑巾がけする子どもたち木造校舎の壁や床を丁寧に雑巾がけする子どもたち
 上田市浦野の浦里小学校で校舎など5棟が全焼した火災から5日で5年。同校は火災翌年から9月5日を「校舎を大切にする日」と定めて校舎の清掃を続け、今年も児童56人と住民約40人が参加した。火災当時の1年生は6年生になった。「大切にする日」としては最後の清掃に臨み、火災を経験していない下級生たちに「校舎を大切にしてほしい」と伝えた。

 子どもたちは六つの班に分かれ、焼失を免れた南校舎の廊下や階段、体育館など担当の場所を隅々まで雑巾がけし、ほうきで丁寧にごみを掃いた。住民らは子どもには届かない高い場所の窓拭きなどを担当。一緒にきれいに―の気持ちで清掃に励んだ。

 清掃を終え、体育館に集まった子どもたちは班ごとに感想を語り合った。6年生が「この中で火事を経験したのは俺たちしかいないけれど、これからも校舎への感謝を忘れないでほしい」と伝えると、聞いていた下級生らは大きくうなずいていた。

 14人の6年生のうち、林七虹(なな)さん(12)は「驚きより悲しさが強かった」と火災当時を振り返った。「(『大切にする日は』)最後だから、感謝の思いをたくさん込めてきれいにした。下級生にも、きっと気持ちが伝わっていると思う」と話した。

 住民らの校舎への愛着も深い。火災当時、同校の学校運営協議会会長を務めていた中沢清人さん(77)は「この学校は住民にとっても宝。今後も地域全体で大切に守っていきたい」。片桐芳之校長(57)は「地域の方々の力も借り、歴史や思いをきちんと語り継いでいく」と語った。

 上田市は本年度、火災の影響で兼用となっていた調理室と理科室を分割するため、浦里小の敷地内に新たに特別教室棟1棟を建てる予定。同校や市教委によると、10月をめどに建設を始め、本年度内の完成を目指す。

(9月6日)

長野県のニュース(9月6日)