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県、有料道路無料化検討へ 公社管理「三才山」など対象

 阿部守一知事は6日、県道路公社が管理運営する県内の有料道路(6路線7区間、総延長37・6キロ)の一般道路化(無料化)の前倒しに向け、具体的な検討に着手する考えを明らかにした。知事は、沿線自治体からの要望が強く、借入金の償還も進んでいるとして「そろそろ具体的な検討を行っていく時期」と述べた。県は無料化に伴う利点や課題を整理し、対象とする路線や時期を詰めていく方針だ。

 知事は同日、県庁で開いた県会正副議長、各会派代表者との懇談会で、自民党県議団の本郷一彦団長が国道254号「三才山トンネル」(上田市―松本市)の無料化を求めたのに答えた。地元自治体からの要望が強い同トンネルや国道142号新和田トンネル(岡谷市―小県郡長和町)が検討対象になるとみられる。

 県内の有料道路は1976(昭和51)年から96年にかけて開通。総事業費は713億円で、県の出資金や国や地方公共団体金融機構、民間の金融機関からの借入金で賄った。借入金などは通行料金から返済する仕組みで、今年3月末時点の残高は233億円。大半が県出資金で、無料化を前倒ししなかった場合、料金徴収が満了するのは2018年8月〜26年12月の見通しだ。

 有料道路の無料化を巡ってはこれまで、経済波及効果を重視して早期実現を求める声の一方、無料化した場合には県の出資金が返還されず、維持管理費も県負担になるとする慎重意見があった。県は08年に改訂した「外郭団体改革基本方針」で、無料化は県民全体のメリットにならないなどとして「早期の全路線無料開放は行わない」と結論付け、その考えを踏襲してきた。

 一方、同公社などは通勤や通院などの負担軽減や、渋滞緩和に向けての社会実験(現・道路環境改善事業)として昼間の料金割引や夜間無料化などを実施してきた。知事は懇談会で「しっかり料金徴収を行うのが基本」としつつ、他県では経済波及効果を狙い無料化を前倒ししている例があると説明。基本方針の改訂から10年近く過ぎたことも挙げた。

 県建設部によると、県外では岐阜県などが有料道路の無料化の前倒しに踏み切った例がある。長野県内では02年、茅野市が借入金を肩代わりすることなどを条件に「茅野有料道路」が本来の料金徴収期間を6年前倒しして、無料化した例がある。

(9月7日)

長野県のニュース(9月7日)